山寿会 スタッフ日記

ブルガリはオクト ローマのトゥールビヨンモデルも数本発表。
2025/11/28
ブルガリは2012年にオクトコレクションを発表した。それ以来いくつもの記録を塗り替えて、多くの愛好家を魅了しており、非常に大きな話題となっている。なかでもオクト フィニッシモが最も注目されているのだが、それは当然のこととして、ブルガリは今日、オクト ローマ コレクションをアップデートした。 今回のコレクションリニューアルでは、3本のタイム&デイトモデルと、オクト ローマ コレクションでは初となるクロノグラフのペアが登場する。このIntroducing記事では取り上げないが、ブルガリはオクト ローマのトゥールビヨンモデルも数本発表しており、スーパーコピー代引き サイト時計製造の実力を見せつけた結果となった。新型ブルガリ オクト ローマ オクト ローマはオクト フィニッシモと同じようなシルエットだが、よりソフトな角度とラインにより、ほんの少しエレガントな雰囲気を醸し出している。また、ラグ(ひいてはブレスレット)の幅もフィニッシモより小さく、グラディエーターカフス(きちんとした留め具がないバングルのようなアクセサリー)のように着用することはできない。 この新しいコレクションはタイム&デイトとクロノグラフの両モデルの文字盤にクル・ド・パリ装飾を採用したため、これまでのフラットな文字盤に比べて質感を持たせているのがポイントだ。さらにブルガリは文字盤の色に重きを置いた。タイム&デイトのオクト ローマにはブルー、アンスラサイト、ホワイトの文字盤が、クロノグラフにはブラックとブルーの文字盤が用意されている。 それ以外のスペックは、ケース直径41mm、ポリッシュ仕上げとサテン仕上げをうまく組み合わせたブレスレット(現在、ストラップを簡単に交換できるシステムになっているため、付属のラバーストラップへ簡単に交換が可能だ)、ブルガリのCal.BVL191など、先代のオクト ローマと同様のスペックである。また防水性能は、両モデルとも100mになっており、従来の50mからスペックアップしている(両モデルともにねじ込み式リューズを採用)。新型ブルガリ オクト ローマ クロノグラフ 一方で新しいクロノグラフは、ケース直径42mm、ブルガリのCal.BVL 399を搭載。Cal.BVL 191と同様に自社製ムーブメントで、約42時間のパワーリザーブを備えている。掲載している現時点では、ブルガリはこのムーブメントに関するその他の詳細情報を提供していないため、情報が入り次第記事を更新しようと思う。我々の考えオクト ローマのタイム&デイトモデルの希望小売価格は7900ユーロ(日本円で約111万2000円、日本定価は未定)、クロノグラフは9900ユーロ(日本円で約139万3000円、日本定価は未定)となっている。希望小売価格が98万4500円だった前モデルのローマより値上がりしているのだが、ローマの審美的な調整や技術的な改良は、世の中で起きているほかのことに踏み込むのと関係なしに、その値上がりを妥当なもののようにしているように見える。オクト ローマはブルガリが展開するオクト コレクションのエントリーモデルだ。オクト フィニッシモのブレスレットタイプになると、価格は最低でも181万5000円からの展開になる。新型ブルガリ オクト ローマのブルー文字盤新型ブルガリ オクト ローマのグレー文字盤 オクトコレクションが、ジェラルド・ジェンタからインスピレーションを得ていることは明らかであるが、実際にはジェンタの商標がすでにブルガリに買収されていた、2000年代に考案されたものだ。このコンセプトは、ジェラルド・ジェンタのバイレトロで初めて紹介されたが、その後ブルガリは2012年にオクトコレクションを発表し、その真価を発揮したのである。 オクト ローマはケースの角度を少なくしつつラグも細くし、そしてケースを丸くすることで、この印象を少しだけ和らげている(もちろん、ローマはフィニッシモ特有の超薄型化という概念を失っている)。新型ブルガリ オクト ローマ クロノグラフのブラック文字盤 これらの新しいアップデートにより、オクト ローマは、1万ドルという範囲内で“いい時計”を探している人の選択肢として、真剣に受け止めて欲しいと求めているように思う。ロレックスのサブマリーナーやオメガのグローブマスターといったクラシックなモデルから、ゼニス デファイ スカイラインやブレモンのスーパーノヴァといった新しいスポーツウォッチのジャンルまで、まさにこの魅力的な領域をカバーしているのだ。どれを選ぶかはもちろん個人の好みの問題だが、ブルガリはこの刷新と洗練をもって、オクト ローマをもう一度見直す価値があるものにしたのである。基本情報ブランド: ブルガリ(Bulgari)モデル名: オクト ローマ オートマティック(Octo Roma)型番: タイム&デイト_103738(ホワイト) / 103739(ブルー) / 103740(アンスラサイト)、クロノグラフ_103471(ブラック) / 103329(ブルー)直径: 41mm(タイム&デイト)、42mm(クロノグラフ)厚さ: 9.15mm(タイム&デイト)、12.4mm(クロノグラフ)ケース素材: ステンレススティール文字盤: ホワイト、ブルー、アンスラサイト(タイム&デイト)、ブラック、ブルー(クロノグラフ)インデックス: メタリックインデックスに夜光塗料を塗布夜光: スーパールミノバ®防水性能: 100mストラップ/ブレスレット: ポリッシュおよびサテン加工SS製インターチェンジャブルブレスレット、ピンバックル式ラバーストラップ付属(簡単に交換可能なシステム)ムーブメント情報タイム&デイトモデルキャリバー: BVL 191機能: 時・分・秒、日付表示直径: 25.6mm厚み: 3.8mmパワーリザーブ: 約42時間巻き上げ方式: 自動巻き(センターローター)振動数: 2万8800振動/時石数: 26クロノグラフモデルキャリバー: BVL 399機能: 時・分・秒、クロノグラフパワーリザーブ: 約42時間巻き上げ方式: 自動巻き追加情報: 詳細がわかり次第、更新ブルガリ オクト ローマ クロノグラフのムーブメントBVL caliber 399ブルガリ オクト ローマのムーブメントBVL caliber 191価格 & 発売時期価格: タイム&デイトモデルは100万1000円、クロノグラフモデルは125万4000円(税込予価)

ブルガリ 新作オクト ローマ チタニウム トゥールビヨン、ブラック&グリーンを纏って登場。
2025/11/28
ブルガリは今回出展していないものの、暗闇で明るく輝くふたつの印象的なトゥールビヨンモデルを発表し、私たちの気分を盛り上げてくれている。Bulgariオクト ローマ ストライキング トゥールビヨン サファイアまず最初に紹介するのは、ブルガリスーパーコピー時計 専門店hicopy.jpのオクト ローマ ストライキング パピヨン トゥールビヨンだ。このデザイン自体は以前にも紹介したが、形状は異なる。この時計はトゥールビヨンを文字盤の中央、通常であれば針がある場所に配置している。時間表示は12時位置の固定窓から読み取るようになっており、分表示は0から60までの半円形に表示され、2本の菱形の針が交互に横切るというクリエイティブなデザインとなっている。ケースは直径44mm、ブラックDLCコーティングが施されたチタン製だ。Bulgariオクト ローマ ストライキング パピヨン トゥールビヨン44mmのチタン製オクト ローマ ストライキング トゥールビヨン サファイアはもう少し伝統的な方向に舵を切っているが、それもほんのわずかだ。パピヨンとは異なり、中央に2本の針、6時位置にトゥールビヨンを備えている。また、本モデルは手巻き式だ。サファイアクリスタルとケースバックから見えるムーブメントは完全にスケルトンとなっており、アワーマーカーはチタンケースに固定されている。この時計では、リューズを引くことはできない。その代わり3時位置にプッシュボタンがあり、これを押すことで赤い点が現れ、リューズによる時間設定ができるようになる。オクト ローマ パピヨンは13万ユーロ(約1830万円)、トゥールビヨン サファイアは8万5000ユーロ(約1196万5000円)となる。懐には痛い。Bulgari我々の考えこの2本の時計は、ブルガリのイタリアンデザインとクラシシズムの感性をさらに進化させたものだ。オールブラックの美学が持つ力強さと光へのこだわりが、私をこれらのモデルに引きつけてやまない。オクトシリーズ(ローマまたはフィニッシモ)には一貫したデザインコードがあるが、オートオルロジュリーにエッジの効いた試みが見られるのは喜ばしいことである。そして正直なところ、トゥールビヨンに焦点を当てた今作はそれに該当する。ジャガーのF-TYPE Rに匹敵する価格帯であるこのふたつのモデルは、高級感とホットさを兼ね備えた存在だ。ブルガリの時計といえば薄さの記録について語られることが多い。このモデルでは、ブルガリの有名なオクト フィニッシモとは異なる種類のテクノロジーを主役としており、美的感覚においては同モデルのそれと大きくかけ離れている。Bulgari私がトゥールビヨン サファイアを気に入っているのは、その伝統的な時刻表示方法が主な理由である。また、時刻合わせやリューズの操作にプッシュボタンが採用されているのも魅力的だ。しかし、パピヨンもまた美しい。従来のブルガリにもこのデザインのバリエーションはあったが、DLCコーティングとグリーンのカラーリングの組み合わせはかなり魅力的である。展示会シーズンを迎えるにあたってすべてのブランドがここまで独創的なモデルを用意しているとしたら、私はもう待ちきれない。基本情報ブランド: ブルガリ(Bulgari)モデル名: オクト ローマ ストライキング パピヨン トゥールビヨン、オクト ローマ ストライキング トゥールビヨン サファイア直径: ともに44mm厚み: 11.9mm (パピヨン)、11.65mm(サファイア)ケース素材: チタンおよびDLCコーティングチタン文字盤色: スケルトン夜光: あり防水性能: 50mストラップ/ブレスレット: グリーンのステッチをあしらったラバーブラックアリゲーターストラップ、チタン製フォールディングバックルBulgariムーブメント情報キャリバー: BVL348(パピヨン)、BVL206(サファイア)機能: 分表示、ジャンピングアワー、トゥールビヨン(パピヨン)、時・分表示、トゥールビヨン(サファイア)パワーリザーブ: 約60時間(パピヨン)、約64時間(サファイア)巻き上げ方式: 手巻き 価格 & 発売時期価格: パピヨンは1645万6000円、サファイアは1075万8000円(ともに税込予価)

パネライはデカ厚で知られる時計のスリム化を顕著に進めている。
2025/11/28
パネライ ラジオミール クアランタ ゴールドテック™の40mmサイズ。例えばダイビングをテーマにしたルミノールコレクションに、40mmサイズが登場したことなどだ。今、その波はラジオミールにも及んでいる。コレクション名のクアランタとは、イタリア語で40を意味する。今年初めに、スーパーコピー中国市場向けにラジオミール クアランタ eスティール™を数種類発売し、より高級なゴールドテック™モデルがラインナップに加わったのだ。パネライ ラジオミール クアランタ ゴールドテックの文字盤アップ ゴールドテック™という素材は、ロレックスのエバーローズやオメガのセドナゴールドのパネライ版といった位置付けで、スイスとイタリアの時計メーカーであるパネライによると、プラチナと銅を混ぜ合わせて、より赤い色調のゴールドを作り出しているのが特徴だそうだ。ゴールドテック™は現在、サブマーシブルからルミノールコレクションに至るまで、すべてのラインナップに採用されている。新しいラジオミール クアランタ ゴールドテック™は、光沢感のあるスマートな印象のポリッシュ仕上げのゴールドケースと、それにマッチしたベゼルを備えている。さらにガルバニック処理を施したホワイトの文字盤が、このモデルの魅力をさらに引き立てている。後者の技術は時計製造において新しいものではないが、パネライにとってはかなり新しいものであり、より伝統的で洗練されたスタイルを生み出している。12時と6時位置のアラビア数字とそれ以外のバーインデックスにより、サンドイッチ文字盤の特徴的なディテールがうかがえ、また3時位置には日付窓、9時位置にはスモールセコンドと、かなりすっきりとしたデザインとなっている。特大のサファイア製シースルーバックからは、自動巻きムーブメントのP.900の動きを見ることが可能だ。そしてラグからラグまでのサイズは48mm、厚さはわずか10.15mmと、パネライの全ラインナップのなかで最もスリムなケースが誕生した。最も注目すべき点は、50mという防水性である。これはパネライコレクションで標準的に確保している、30mよりも高い数値であるということ(またラジオミール クアランタ eスティール™の第1弾モデルの30m防水よりもアップしている)。もともと軍用時計であるパネライは、防水・耐水圧に厳しい基準を設けていることは有名だが、さらにその表示された深さに、25%のバッファーを加えた深さのもとで時計をテストしており、さらなる安全性を確保しているというのだ。我々の考え長年の時計愛好家に、ひとつの時計を長く使い続けている理由は何かと尋ねると、つけているときの快適さとクラシックなスタイリングという理由が多く挙げられることだろう。それゆえパネライが、よりポピュラーなサイズ、よりスリムで、よりつけやすいデザインの方向へシフトしているというのは、何も驚くべきことではない。このブランドは、イタリア軍やフロッグマン(潜水工作員)とのつながりを愛するファンが手にした、オーバーサイズのデカ厚時計としてその名が知られるようになったかもしれない。しかし同様に、パネライファンはより着用しやすいサイズを求めているのも事実で、ブランドは進化して、長い目で見ていかなければならないのである。その歴史は19世紀のイタリアにまでさかのぼるが、一般向けの時計の生産は1992年(ラジオミールは1997年)に開始したばかりで、コアとなる歴史的なモデルは軍事機密のベールに包まれている。ちなみに1992年というのは、リシャール・ミルやF.P.ジュルヌがスタートした時期よりもずっと早い。確かに、パネライは163年という長い歴史を持ちながら、常に新興時計メーカーのような雰囲気も備えている。パネライ ラジオミール クアランタ ゴールドテック、正面のイメージカットこの新しいラジオミール クアランタ ゴールドテック™は、基本的に、パネライスタイルのドレスウォッチとしてファンに提供するものである。クラシカルな40mmサイズに、コンパクトなラグからラグまでのサイズ感、洗練された厚みは、ディナージャケットの下にすっと入り込み、ポリッシュドゴールドの仕上げは、夜にエレガントさを添えてくれるに違いない。パネリスティ(Paneristi)コミュニティのファンの人々はもちろんのこと、新しいユーザーにも訴求できるタイムピースだと思う。特に後者の顧客は、ドレスウォッチという新たな選択肢を手に入れつつ、いわば家族の一員としての役割を果たすこともできるのだ。40mmというサイズは、ラジオミールの次のサイズである45mmから、大きくダウンサイジングされている。そして今後、クアランタの類似モデルが増えることも期待している。またクアランタという名前は、明確で受け入れやすく、さらにとてもイタリア的であり、ブランドのDNAをうまく表現しているため、より広い層にも求められるように思う。そして最後に、50m防水の確保というのはとても大きな進化であり、パネリスティの熱狂的なファンやフロッグマンファンをも満足させるスペックであることは確かだ。ラジオミール クアランタ ゴールドテック™には、パネライが得意とするあの独特な手首の存在感はないが、技術的なスペックは依然として主張したままなのである。基本情報ブランド: パネライ(Panerai)モデル名: ラジオミール クアランタ ゴールドテック™型番: PAM01026直径: 40mm厚さ: 10.45mmケース素材: ポリッシュ仕上げのゴールドテック™文字盤: ホワイト夜光: 針とインデックスにスーパールミノバ防水性能: 5気圧 / 50mストラップ/ブレスレット: ダークブラウンのアリゲーターストラップパネライ ラジオミール クアランタ ゴールドテックの正面カットムーブメント情報キャリバー: P.900機能: 時・分、スモールセコンド、日付表示厚み: 4.2mmパワーリザーブ: 約3日間巻き上げ方式: 自動巻き石数: 23価格 & 発売時期価格: 242万4400円(税込)

リトル・ランゲ1・ムーンフェイズは、わたしにとってそんな時計のひとつだ。
2015/10/16
プレスリリースを見た瞬間に、絶対に気に入ると確信したのである。わたしはいつもランゲ1に憧れを抱いていた。普段はアシンメトリーな文字盤を好きにならないため(というかまったく好まない)、これは珍しいことだった。しかし、ローズゴールドとギヨシェダイヤルを持つリトル・ランゲ1・スーパーコピー時計ムーンフェイズの高解像度のプレス写真を見たとき、それにひと目惚れしてしまったのだ。わたしはいつもメンズライクな時計が好きで、役に立たないものを非難しているため(ダイヤモンドはもっと少なく、そして文字盤のマザー オブ パールもいらない!)、これが少し矛盾していることに今気づいた。でもこれは違う。私見では、リトル・ランゲ1・ムーンフェイズはフェミニンとマスキュリンの完璧なバランスを保っており、頑張りすぎていないのだ。A.ランゲ&ゾーネの2017年の新作、リトル・ランゲ1・ムーンフェイズ。ランゲ1について少し触れておく。このモデルが初めて発表されたのは1994年で、最初のモダンランゲコレクションのひとつとして登場した。直径は38.5mmで、左右非対称の文字盤は当時大きな話題となった。時・分のダイヤルに加えて、ランニングセコンド、アウトサイズデイト、パワーリザーブインジケーターを備えていた。しかし発売以来、ランゲ1は何度もモデルチェンジされ、2015年にはキャリバーが一新された。新しいリトル・ランゲ1は(夢のような)20周年記念セットに似ている。しかし、新しいモデルは36.8mmという完璧なサイズ感のRG製ケースに、シルバーホワイトのギヨシェ文字盤を備えている。このケースの大きさもさることながら、特にゴールドの色味を気に入っている。完璧なRGを実現させた時計メーカーはそう多くはないが、ランゲはそのひとつである(ほかの例を挙げるとオーデマ ピゲやブルガリなど)。黄色みすぎず、銅色すぎず、はっきりとしたRGであり、どんな肌色をも引き立ててくれる。この時計には新しい手巻きムーブメント、Cal.L121.2を搭載している。ADVERTISEMENT文字盤も目を見張るものがある。純金製のダイヤルにギヨシェ彫りを各所に施し、シルバーホワイトに光り輝いている。文字盤左側には象徴的な時・分表示、右側には日付とパワーリザーブ、そしてこのモデルではムーンフェイズとスモールセコンドが右下に収められている。ムーンフェイズもまた見事で、シルバーディスクを背景に鮮やかなRG製の月と星がマッチしている。今まで見たムーンフェイズのなかで最も美しいもののひとつである。そして最後にムーブメントだ。搭載されたCal.L121.2は、数年前に発表されたランゲ1ムーブメントと同じもので、約72時間のパワーリザーブと、現在では標準装備となった122.6年に1度の誤差という高精度ムーンフェイズを備えている。これほど素晴らしい(言うまでもなく、美しく仕上げられた)ムーブメントを搭載していることに新鮮さを感じないと言えば嘘になる。全体的には、何から何まで本当に素晴らしい時計である。手首への負担も少なく、ほんの少しの輝きがあり、ダイヤモンドもなく(これは当たり外れがある)、日常的に着用しやすい。この時計の価格は約4万800ドル(編集注記:2017年時点では税込475万円)で、新しく発売されたホワイトゴールドのランゲ1・ムーンフェイズの約4万2430ドル(編集注記:2017年時点では税込490万円)よりも約15万円安い。これは“レディース”ウォッチとしては初めてのことかもしれない。今年のSIHHで、わたしが最も気に入った時計がこれかどうかはまだ断定できないが、候補のひとつであることは間違いない。

ふたりの優秀な時計職人に、お気に入りのノモスを教えてもらった。
2015/10/08
時計収集というと、どうしても高級品に目が行きがちになるが、世界的なパテック フィリップの1518や2499は価値が上がり続けている(3448はかなり安定しているが)。そしてロレックス “赤サブ”には(少なくとも私には)果てしない値段がついているように見えるが、特定の項目をチェックするには十分な方法である。A.ランゲ&ゾーネ、オーデマ ピゲ、ヴァシュロン・コンスタンタンなど、これらのブランドでコレクションを拡充させる興味深い方法はたくさんある。ただし価格に関しては、どのブランドも参入するハードルがかなり高い。では、私たちに残された道は? 退職後の蓄えとしてではなく、特別なコレクションを作りたいと思ったら?ロレックススーパーコピー代引きコレクターは、楽しみの半分(ときには半分以上)は追求することだと言う。しかし、探し求めていた時計が実際に買えないとなると、少し残念な気分になるかもしれない。その点ノモス グラスヒュッテは、実際に時計を収集するプロセスを学ぶための手頃なブランドとして、多くの可能性を秘めていると思う。ノモスはベルリンの壁崩壊直後の1990年に設立され、1992年には最初の時計を発売している。これはランゲ&ゾーネが再開されるより2年も前のことである。30年そこそこということは、ノモスというブランドの歴史のなかで、多くの製品が発表・発展してきたということであり、コレクションの入り口がいくつもあるということだ。“若い”ブランドを収集するもうひとつの利点は、これらの作品(加えてそのストーリーとスペック)が失われたり、神話のように見えたりして消えてしまうわけではないということだ。ノモスは、4分の3プレートやグラスヒュッテサンバーストなど、さまざまなグラスヒュッテブランドを象徴する“グラスヒュッテ様式”に準じながら、独自のスタイルを貫いている。さらにデザインも豊富で、誰もが少しずつ楽しめるようになっている。Glashütteグラスヒュッテという小さな町。左下にある灰色と白の大きな建物がグラスヒュッテ・オリジナルで、その右側にA.ランゲ&ゾーネがあり、通りを挟んでカメラに最も近いところにノモスがある。 昨年初めてグラスヒュッテを訪れたとき、私はノモスの人たちと一緒に時間を過ごし、彼らのアーカイブに少し潜入した。そしてノモスからリリースされる時計が、ほかのものよりもコレクターに好まれる理由を探ることができた。ただあまりに多くの時計を前にして、少し助けが必要だと感じた。そこでブランドの親切なスタッフが、Instagramの“Nomos Collectibles Archive”(以下NCAと呼ぶ)ページを見るようすすめてくれた。Nomos Club Trioどういうわけか、このノモスのクラブは私の目に入らなかった。この時計は、グラスヒュッテ時計製造175周年を記念して2021年に発表された3本の時計のうちの1本である。もしかしたら未来の傑作になるかも? ノモスコレクターのコミュニティやフォーラム、ソーシャルメディアのページはいくつかあり、そのなかには有名なNomos Watch Clubも含まれているが、私はNCAを運営するふたりのストーリーに、心奪われずにはいられなかった。モリッツ・エルドマン(Moritz Erdmann、別名NomosChino)氏とパトリック・リッチェル(Patrick Ritschel)氏は、ともにグラスヒュッテで活躍するマスターウォッチメーカー(上級時計職人)であり、ノモスではなくA.ランゲ&ゾーネの超複雑時計モデルの製作に携わっている。実際、リッチェル氏はその歴史あるブランドのコンプリケーション部門の責任者だ。彼らのノモスへの愛こそ、ランゲがあらゆる時計づくりを純粋に愛する人々の雰囲気を醸成してきたことを示しており、だからこそ私もランゲに愛着を感じている。それはなぜか。ノモスとランゲはスタイルや価格帯で競合するものではなく、グラスヒュッテの時計製造という大きな物語のなかで補完しあう役割を果たしているのだ。 この1年間、私たちはお気に入りの作品について語り合ったが、今回は過去31年間のうち、あなたが知っているかもしれないし、知らないかもしれない、お気に入りのノモスを8本集めてみた。セレクションに行く前に私はモリッツ氏とパトリック氏に、彼らの琴線に触れるノモスの魅力とは何なのか聞いてみた。Glashutte現在はノモス本社となっている旧駅舎。 「ノモスはデザイン重視の時計メーカーであり、長期的なビジョンを持っています。ロレックスと同じように、彼らの哲学は革命よりも進化にあります」とエルドマン氏は語った。「私の収集観点は、その進化から少し離れ、普通の道から外れ、特におもしろくなりそうな作品を探すことです。だからそれが風変わりであったり、非常にカラフルであったり、ファンキーであったりすると、いつでも私の目を引くのです」 ノモスには、グラスヒュッテ時計製造の中核をなす技術のすべてが、最初から遵守されていたわけではない。F.A.ランゲによって広められた4分の3プレートスタイル、グラスヒュッテ・ストライプ、青焼きネジなど、グラスヒュッテの特徴的な技術をノモスが初めて自社製自動巻きムーブメントに取り入れるのには2005年まで時間を要している。そのため、初期の頃のノモスコレクターズアイテムのなかには、少し見慣れないものもあるかもしれない。しかし、それらは2度と戻らない時代の瞬間を表してもいるのだ。Nomos Autobahnノモス アウトバーンウォッチは見過ごされがちだが、それにはそれなりの理由がある。多くのコレクターは、これがノモスのほかのモデルとあまり一致していないと感じているようだ。 「ノモスの創業者であるローランド・シュヴェルトナー(Roland Schwertner)は、先見の明があると同時に、伝統を重んじる人でした」とエルドマン氏は続ける。「彼はグラスヒュッテというザクセンの美しい町に、大きな可能性を見出した最初の起業家のひとりでした。かつては、独自の仕上げ技術とデザイン特性を持つ傑作時計として世界的に有名でしたが、第2次世界大戦とそれに続く鉄のカーテン(第2次世界大戦が終結したあと、当時の東西両陣営の分裂した緊張状態を表した言葉)のあと、すべての企業が共産主義のコングロマリットと合併し、安価な時計が大量生産されるようになりました。多かれ少なかれ、過去の栄光は忘却の彼方へと追いやられたのです。しかし、シュヴェルトナーはかつてのグラスヒュッテの精神をよく知っていました。ノモスで最も有名なタンジェントのデザインインスピレーションは、20世紀初頭につくられたランゲの古い腕時計から来ており、彼はそれをプロダクトデザイナーのスザンヌ・ギュンター(Suzanne Gunther)とともに現代風に変えました。ノモスは成長を続け、最終的に独自路線に乗り、現在では時計製造の絶対的な頂点のひとつであるヒゲゼンマイを自社生産しています」 ノモスのスタッフは、ブランドの収集についてもうひとつ教えてくれた。同社は生産するすべてのロットの時計を少なくとも1本、ときには複数本、そして常に1〜10ナンバーの時計を保管している。ブランドがひとつの番号だけ保持することがあったとしたら、彼らはほぼ間違いなく、創業者ローランド・シュヴェルトナーのお気に入りの番号である7を保管する。しかし、ごく希に7ナンバーが流通市場に出回ることがある。もし見かけたら、ぜひ手に入れることをおすすめする。その時計は会社から出るべきではなかったし、もし手元にあればあなたはとても特別なものを手にしていることになる。 準備が整ったところで、エルドマン氏とリッチェル氏が選んだお気に入りのノモスを見てみよう。これらの時計のなかには、見かけたことがある時計もあるかもしれない。(元HODINKEEの)カーラ・バレットは以前の取材で、いくつか珍しい時計を紹介している。しかし、NCAが紹介した新しい時計とその見識にはブランドの歴史やコラボレーションに関する楽しい情報がたくさん詰まっている。ADVERTISEMENTパトリックのおすすめノモス タンジェント アルペングロー時計には“ひと目惚れ”するものもあれば、その時計が本当に好きかどうか、見分けるのに時間がかかることもあります。ノモス タンジェント アルペングローについては、かなり時間がかかりました。clubnomos.deで初めてこのエディションを見たとき、実機でどう見えるか確信が持てませんでした。過去20年間に登場したノモス限定モデルは、そもそも見つけること自体超レアで、入手困難なものが多く、実機の写真があることも珍しいです。そのため、ノモスの素晴らしいファンから、それ以来よき友人となった人から思いがけず購入する機会を得たときは、本当に驚きでした。 文字盤の色は、写真で見るよりずっとよく見えます。光の加減によっては、ゴールドからサーモンにかけてのコッパーと表現できるでしょう。さらに、個人的にとても好きなサンバースト仕上げの文字盤であり、さまざまな色合いを見事に際立たせています。この美しさを実際に見たあと、この時計は所有しなければならないと思いました! しかし、その美しさは文字盤だけではありません。ムーブメントにも特別な加工が施されているのです。私の知る限り、これはノモスのムーブメントとしてはユニークなものであり、ローズゴールドメッキのアルファキャリバーによって駆動していて、文字盤に完璧にフィットしています。 アルペングローは35mmのタンジェントファミリーに属しており、合計150本の限定モデルであります(偶然に選ばれた数ではありません)。これは2006年に、ドイツ・ミュンヘンの宝石商であるアンドレアス・フーバー(Andreas Huber)の誕生150年を記念して発表されました。“NOMOS Glashütte”ではなく“HUBER München”と記されたアルペングローを見たことがあれば、それは偽物ではないので安心してください。フーバーはこの特別版を社員にプレゼントしています。 この時計の小売価格は860ユーロ(当時の相場で約12万5000円)で、2006年当時の“ノーマル”タンジェントと同じ価格でした。今では超レアで手に入りにくく、多くの人がこの時計に注目しています。現実的にはフルセットそろっていれば小売価格の2倍以上の価値があるはずです。ノモス タンジェント クラウス・シュミットノモスの時計のなかには、限定品だからこそ希少なものもあります。また日本など、特定の国でのみ販売されたものや、25本または30本だけ生産された特別なものも存在します。そのなかでもさらに珍しい限定モデルもあります。非常に希少なだけに、実際に市場に流通することはないため、それらを所有するとは夢にも思わないモデルたちです。そのうちのひとつが、ドイツ人アーティストのクラウス・シュミット(Klaus Schmitt)と、ドイツのオーベルストドルフにある宝石商、ミュラーとのコラボレーションによるノモス タンジェント クラウス・シュミットです。文字盤はシュミットが特別にデザインしたもので、彼の絵画によく似ています。私がこの時計を所有してから、いろいろな意見を聞きました。しかし最終的にこれは“芸術作品”と呼ぶほかないでしょう。Nomos Tangente Klaus Schmitt この時計をさらに特別なものにしているユニークな機能が2つあります。まず第1に、35mm径のタンジェントで秒針がないのは、私が知っている限りではこれだけです。さらにわかりにくいのですが、文字盤にはノモスのロゴが印刷されていません。こちらはサファイアクリスタルの内側にプリントされているので、一種の立体感を与えています。理由は単純で、ノモスは文字盤をアート作品として残し、余分なプリントや針でそれを壊さないようにしようとしたのです。とてもよくできていると思います! 2006年に製造されたクラウス・シュミットは、ナンバー付きが12本、それに加えてナンバーなしのアーティスト版が3本だけあります。いずれも堅牢な裏蓋とノモス製アルファキャリバーを搭載しています。通常のタンジェントよりも高価で、6桁の値札が付けられたこのスーパーレアエディションは、1100ユーロ(当時の相場で約16万円)で販売されました。一般市場には同リファレンスがなく、多くの人がこの時計の存在すら知らないため、現在の価値を推定するのは難しいです。また私にとって、この時計は決して売ることができないものですし、それほど頻繁に着用するものでもありません(これが私の“非日常的な時計”の定義です)。しかし、その希少性、芸術性、そして非常に特別でユニークな要素は手放すことができないほどの情熱を持っていることを意味します。ノモス タンジェント 漆私は日本の大ファンです! 残念ながら行ったことはありませんが、私が将来行きたい旅先の第1候補のひとつです。それは優しい人々や素晴らしい時計製造への情熱だけではなく、ほかにも美しい景観、文化、超絶的な職人技などがあります。これらの職人技のひとつに、“漆”と呼ばれる6000年の伝統を持つ工芸品があります。2006年にノモスは、伊勢丹新宿店の120周年を記念して、漆の技法でつくられた特別な文字盤、タンジェント 漆を発表しました。50本限定かつ日本でのみ販売され、小売価格は23万6250円(税込)でした。通常のタンジェントとは大きな違いがあり、超高価なハンドメイドダイヤルを備えています。Nomos Tangente Urushi よく見ると、純金の粒子が見えます。この文字盤はひとつひとつ手作りされているため、それぞれ模様が異なります。そのため、50本ある時計はどれも個性的です。それだけでなく、漆の技法は文字盤に“普通”の黒文字盤とは比べ物にならないほどの美しい深みと輝きを与えます。時計の裏側はそれほど特別ではなく、この日本版はアルファキャリバーで駆動している様子を、サファイアクリスタル製シースルーバックから鑑賞できます。 流通市場での入手の可能性は、悲しい話、ほとんど売りに出されることはありません。確かに、この17年で漆の価値は明らかに上がっているはずです。ノモスコレクターがこれをコレクションに加えるには、豊富な資金と忍耐力、さらに日本との良好なコネクションが必要でしょう。漆ウォッチのほとんどは、まだ日出ずる国にあるのでしょうね。モリッツのおすすめノモス ミニマティック “1stエディション”この愛らしいデザインの時計は、さまざまなモデルファミリーにまたがった3001本限定の初回生産モデルのうちの1本でした。2015年のバーゼルワールドで発表された新ムーブメントであるDUW 3001と、そのなかには自社製脱進機であるノモス“スウィングシステム”を搭載しています。私はこの節目を、“ミニマティック”という新しいウォッチラインで祝った事実が好きです。Nomos Minimatik "1st Edition" 3001本の時計がなくなったあと、2016年にDUW 3001の通常生産が開始されました。そのうちの何本がミニマティックだったかはわかりませんが、3桁の数字には違いありません。ほかはすべてタンジェント、メトロ、ラドウィッグ、オリオンでした。同モデルに加え、シャンパンカラーを持つ、ふたつの異なるダイヤルバリエーションがありました。本作はミニマティックへの興味を公にしていた有名なオーナーにちなんで、コレクターのあいだで“ゲイリー・シュタインガート”と呼ばれています。これらのことを考慮すると、このRef.1201の製造数は3桁と非常に少なかったと思われます。 これらのポジティブな要素や人々を引きつける要素があるにもかかわらず、タンジェントやオリオンといった古典的なノモスファミリーがDUW 3001を搭載したことで、ミニマティックとその超薄型ケースへの愛は急速に失われたようです。それは流通市場にも反映されており、ミニマティックは2000ドル(日本円で約29万4000円)以下で販売されていることがあります(当初は3000ドル、当時の相場で約32万円以上で販売されていたにもかかわらず)。まさにこれは掘り出し物です。コレクターは賢くあれば、この非常にコレクタブルで手頃かつ素晴らしいモデルをお値打ち価格で手に入れることができると思います。

多くの人がそうであるように、ニコラス・フェレル(Nicholas Ferrell)氏も時計が好きだった。
2015/10/07
彼の祖父はふたりとも時計が好きで、アメリカの懐中時計やヴィンテージホイヤーを収集するようになった。祖父譲りの趣味で、高校生だった彼にも手が届くものがヴィンテージのセイコーだった。現在40代のフェレル氏は、国防総省の情報分析官として働き、のちに国務省の外交官として働いていた。そして10年前の6月、フェレル氏はセイコー、ホイヤー、オメガの魅力を発信する場として、DCヴィンテージ・ウォッチを設立。彼は自身のお気に入りリファレンスであるセイコー 6139を含む、わずか10本の時計でサイトを始めた。このビジネスが副業として成功すると、オメガスーパーコピー代引き 激安フェレル氏のガールフレンド(現在は彼を支える奥さん)はそれをフルタイムの仕事にしようと提案し、彼はすぐに政府での仕事を辞め、外交の世界をヴィンテージウォッチの世界に変えた。今では本職の時計ディーラーとなったが、彼の活動の中心は無名の時計であり、古い写真やレコードを読みあさり、それらの素晴らしいバックストーリーについての知識を少しずつ増やしていった。2018年、テレビのエグゼクティブ・プロデューサーである彼の妻がハリウッドに本拠を構えることになったため、フェレル氏一家はLAに移り住み、DCヴィンテージ・ウォッチも移転した。西海岸に着くと、彼はこの地域の豊かな時計文化だけでなく、LAの素晴らしいクルマ文化との深いつながりを見出した。またフェレル氏の自慢とよろこびは、“もうひとつ(One)”で選んだ、毎日乗っているダッジ・チャレンジャーにある。今日、DCヴィンテージ・ウォッチはさまざまなヴィンテージウォッチのディーラーとしてだけでなく、専門的な研究の拠点として、また特定のマニアックなリファレンスの広範なハントリストを常に維持するソーシング組織としても機能している。もちろん、誕生年の時計は聞いたことがあるだろう。しかし、これはセイコーだ。誕生月の時計はどうだろう?ときに顧客は、粗くて古い写真や過去の記憶のなかで見た時計の痕跡をもとに、具体性と詳細を求めてフェレル氏のもとを訪れる。フェレル氏は、それを楽しんでいる。軍事史の学位、政治学の修士号(それに付随するすべての研究を含む)、画像分析の豊富な経験を持つ彼は、ヴィンテージウォッチという見つかる望みのないものを見つける同職種には適任だし、彼は現在本を執筆中である(ほのめかしておく)。下記のピックアップでわかるように、フェレル氏の時計の趣味は多様に広がり、バックストーリーの細部に深く根ざしている。誰が、何を、どこで、ブルース・リーも(後述)、そのコンテキストがすべてだ。神秘的な儚さが彼のセレクションの結合組織であり、それは彼の“もうひとつ(One)”にも確実に及んでいる。彼の4本オメガ スピーディプロ 142.022スピーディー プロフェッショナルは、彼が長年愛用していた高級時計であり、ニコラス氏が国務省に在籍していた際、米国の外交政策における重要かつ微妙な時期(彼が関わっていたが詳しくは言えない)を記念して手に入れた。それにもかかわらず、この時計はずっとニコラス氏の手元にあり、いい具合に年を重ねてきている。この時計には強い思い入れがあり、いつか子どもたちに渡すつもりだと彼は述べる。そして、この時計を手に入れた理由のすべてを話すかもしれない(もちろんある時期が経過したあとに)。センチメンタルな価値を蓄積し続けているため、今では彼の特別なイベントのための“定番”ウォッチとなっている。メモセイル レガッタふたつの“生まれた年”ウォッチのうちのひとつは、どちらもニコラス自身の生年と一致しないため、クォーテーションを使用している。むしろ、この大胆にカラフルなメモセイル レガッタは、長女が生まれた日に彼が身につけていた時計なのだ。水上でレガッタのタイミングを計る複雑な機構を備えたメモセイルは、カジュアルだが70年代のファンキーなデザインで、レースの特定のスタート時間にボートが間に合うよう10分のカウントダウンが測れる。フェレルがメモセイルを選んだのは、長男の誕生に際して当時愛用していた時計であり、陣痛のタイミングを計るのに重宝していたからだ。メモセイルはやがて彼の娘に受け継がれるが、フェレル氏はこの時計がふたりの絆の強さを象徴するものであるという明確な意図とともに、ふたりの人生の重要な瞬間にそれを着用し続けている。またメモセイルは、父親になり、家族と過ごす時間を増やすためにワークライフバランスを調整する必要があった時期を象徴している。ADVERTISEMENTホイヤー オータヴィア Cal.11 Ref.1163 ヴァイセロイ彼の祖父のお気に入りのブランドのひとつから、この1969年製ホイヤー 1163をチョイスした。これは息子が生まれた日にフェレル氏が身につけていた時計である。娘のためのメモセイルのように、このホイヤーはそのときのフェレル氏の好みを表しており、この時計は後年、彼の息子に受け継がれる。メモセイルと同様、彼は陣痛の時間を計るためにヴァイセロイを使用した。heuer autavia ホイヤーとメモセイルには、それぞれのイニシャルと、ニコラス氏からのメッセージが刻まれており、彼は家族、特に息子との特別な体験(空手の帯の獲得時など)を祝うために、ホイヤーを着用し続けている。この時計は、彼が時計に熱中してきた歴史を直接物語るものであり、やがては彼の息子の腕に巻かれ、次の世代にインスピレーションを与えることだろう。セイコー 6139-6010 “真のブルース・リー”モデル フェレル氏が愛好家として最初に選んだ時計は、セイコーの6139だったが、お察しのとおり、それは出発点に過ぎなかった。彼は4本目、偉大な故ブルース・リーが着用していたことで知られる6139を選び、深く追求した。a seiko chronograph.  これは1969年製の6139-6010で、ブラックダイヤル、プルーフダイヤルと裏蓋、2ピースクロノグラフ針、英語と北京語を交互に表示する曜日表示ディスクを備えている。フェレル氏は同リファレンスについて広範な記事を書いており、彼の時計への中核をなすものと考えている。もっと知りたい方は、ぜひ彼の研究をご覧いただきたい。 それは非常に珍しい6139の変わり種であり、映画と特異性に根ざしたバックストーリーを持っている。これをフェレル氏が選んだ1本であることに驚いただろうか?もうひとついすゞ トルーパー RS 1989 これは意外かもしれないが、だからといってクールさが失われているわけではない。私と同じようにフェレル氏もクルマが大好きで、1996年に父親と一緒にこの日本製SUVを4000ドル(当時の相場で約43万円)で購入した。当時、JDM(日本国内市場のこと)車は米国で人気が高まっていたが、SUVへの関心はスープラやスカイライン、シルビアほどではなかった。an isuzu tropper RS フェレル氏によると、1989年に発売されたトルーパーRS(ラリースポーツ)は、アップグレードされたオフロードパッケージが特徴で、アメリカには半年ほどしか輸入されず、米国に入ってきたのは800台にも満たなかったという。2代目オーナーであるニコラス氏は、オフロード走行や大規模なオーディオのアップグレード、子どもたちのLAでの空手や体操クラスのために家族を送ったりなど、このクルマに何度も命を吹き込んできた。a trooper RS 機械的には健全だが、トルーパーはショーカーではなく、まっとうな日常車であり、リフトアップ、大径ホイール、そのほかサスペンションのアップグレードが施されている。バンプシステムは、SUVのオーバーランダー(クルマを快適な空間に変えて旅をすること)のアップグレードに取って代わられて久しいが、トルーパーはニコラス氏のお気に入りの1台であり、彼のお気に入りの時計に匹敵する特異性とバックストーリーを持っている。

エンツォ・フェラーリがかつて所有していた壁掛け時計
2015/09/30
これは、“イル・コメンダトーレ(エンツォ・フェラーリ)”の机の後ろに掛けられていた時計にまつわる話である。

これはなかなかお目にかかれない代物だ。<a href="https://www.jpan007.com/brands-category-b-3.html">ウブロ コピー</a>スクーデリア・フェラーリとフェラーリ・オートモビルズの創設者である、エンツォ・フェラーリ(Enzo Ferrari)がかつて所有していたクロックである。下の写真にあるように、この時計はイル・コメンダトーレ(指揮官の意味。イタリア共和国功労勲章の勲三等と同じ名前で、同賞を受賞したエンツォ・フェラーリもそのように呼ばれるようになった)の机の後ろに掛けられていて、名だたるドライバーたちとのミーティングのあいだもずっと時を刻んでいた。

この商品を販売しているカナダにあるCollector Studioのモリー・バーマック(Morry Barmak)氏によると、この時計が初めて市場に出たのはモデナのチャリティーオークションに出品されたときだという。エンツォ・フェラーリは、この時計をモデナに新しく建設された工場の事務所に移す前は自宅の事務所に置いていた。Collector Studioのサイトによると、このクロックにはオークションに出品される以前に手にしていた男性からの手紙が添えられているという。

ちなみにこのクロックは、特に興味深い時計学的な観点や外観、希少性からではなく、主にその出自から価値が派生したアイテムのひとつである。わざわざゼンマイを巻き上げる必要がなく、メンテナンスのために誰かを事務所に入れる必要がないという点から、エンツォ・フェラーリはバルマック氏が1930年代もしくは40年代のものと推定するこの電池式ドイツ製時計を好んで愛用していたと伝えられている。

上の写真でおわかりのように、内部の電動ムーブメントにはドイツのディール社製と記されている。つまり、内部のムーブメントはディール社が時計ビジネスに参入した1945年以降に製造されたものである可能性が高い。

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メカニズム自体も興味深い。機械式と電気式のハイブリッドで、バッテリーが巻き上げ装置を動かしている。テンプはモーターケースの下に隠れて見えない。このムーブメントは製造時から時計に組み込まれていた可能性もあるが、後になって追加された可能性もある。いずれにせよ、ダイヤルを飾るLarinの名前に関する情報はネット上にあまり見当たらないようだ。

しかし、ディールの電池式ムーブメントがどのように機能するのかを説明するかなり興味深いYouTube動画を発見した。7分あたりまで飛ばすと、巻き上げ機能がどのように動作するかがわかる。バルマック氏によれば、エンツォのLarinクロックに搭載されているものはまだ機能しているという(執筆当時)。

オメガ ムーンスウォッチのムーンシャインゴールドモデルがコンプリートセットとして初めて登場。
2014/12/03
オメガとスウォッチは、満月の特定の形態に関連した限定モデルをムーンスウォッチ ミッション トゥ ムーンシャインゴールドとして2023年のあいだ定期的にリリースしてきました。毎月の満月の日に合わせて1日限定販売の本シリーズは、昨年末に公開した「2023年のHODINKEE Japan人気記事ベスト10」にもトップにランクインするほど高い注目を集めました。2024年もすでにブランパンとスウォッチの最新作スキューバ フィフティ、オーシャン・オブ・ストームがリリースされ、さらに先日スウォッチの公式Instagramアカウントがスヌーピーとコラボしたムーンスウォッチの発表を予告されているように話題の尽きない1年になりそうな予感がしていたところニュースが飛び込んできました。オメガスーパーコピー優良サイトは、ムーンシャイン ゴールドの全11モデルがスーツケースに収められた特別な11セット、ムーンスウォッチ ミッション トゥ ムーンシャイン ゴールド スーツケースを今月のサザビーズのオークションに出品することをアナウンスしました。チャリティーオークションによる収益は、同社が2011年から提携している失明予防のための非営利団体オービス インターナショナル(Orbis International)に100%寄付されることになっています。オークションは2月12日から2月24日まで開催されます。ピンクフルムーンのムーンスウォッチ。針を見て違いがわかるだろうか…ワームムーンのムーンスウォッチ。ミッション・トゥ・ネプチューンをベースにしたブルームーンモデル。ケースサイドには羽田空港の空港コード”HND”が刻印されている。スーツケースのデザインは、スウォッチが2022年にムーンスウォッチを発表した際にお披露目した非売品のものと同じデザインで、今でもスウォッチストアに行けば通常モデルが収められている状態で見ることができます。今回の11個のセットにはミッション・トゥ・ネプチューンモデルをベースにしたブルームーンモデルももちろん含まれています。すべて揃ったセット販売は、ムーンシャインゴールドモデルはもちろん、ムーンスウォッチでも初めてのこと。各モデルにおいて、これまで販売されてきたものと唯一異なるのは、ケースサイドに各11都市の空港コードがエングレーブされている点です。僕が見たのは羽田空港のHNDが刻印されたモデル。なぜ空港コードが刻印されているかというとオービス インターナショナルが、“空飛ぶ眼科病院(フライング・アイ・ホスピタル)”という活動を行っているからです。その名の通り航空機のなかに眼科教育病院を持つ世界で唯一の存在で、同プログラムを通じて何百万人者もの患者に治療を行ってきました。スーツケースにはオメガ×スウォッチのロゴが入った金色のルーペと、各都市の空港コードが刻印されたコインも付属。2月24日のオークション終了に先立ち、11個のスーツケースは2月1日から11日まで、チューリッヒ、東京、バンコク、シンガポール、香港、北京、ニューヨーク、ロンドン、ミラノ、パリ、シドニーを含む世界11ヵ所のオメガ ブティックで展示されます。僕も早速、撮影のために伺ったのですが、これまでのモデルがすべて揃った状態で見ることができるのはなかなかの迫力がありました。ニコラス・G・ハイエックセンターの2階にあるオメガブティック銀座本店での展示の様子。ブティックでムーンスウォッチが収められたケースとその横に展示されているスピードマスター(金属製の)やシーマスターを見ながらこんな疑問が浮かぶかもしれません。「ムーンスウォッチではなくシーマスターやスピードマスターでやった方が良かったのでは?」と。実は僕はオメガがムーンスウォッチを選択したことに対しては、ポジティブです。いまやムーンスウォッチは時計愛好家だけでなく、誰もが注目するモデルです。確かにチャリティーオークションの結果、つまり落札価格が高いに越したことはありませんし、重要な要素であることは疑う余地もありません。でもオービス インターナショナルのような素晴らしい取り組みが、(腕時計を通して)世界中に伝わるということも同様に価値のあることだと思うのです。オービス インターナショナルの取り組みによって見えなかった月や星の美しさに気がついたり、満月ひとつとってもこんなにも種類があったのかと気づくきっかけを作る今回のオークションは素晴らしいものだと思います。次の満月である2月24日にセールが終了するまで、僕たちはこのオークションに注目し、また結果がわかり次第、皆さんにアナウンスできたらと思います。オメガ ブティック銀座本店住所: 〒104-8188 東京都中央区銀座7-9-18ニコラス・G・ハイエックセンター2F営業時間: 11:00〜20:00(月−土)/ 11:00-19:00(日・祝日)定休日: 年末年始

今ではセイコーブランドのトップレンジに位置する存在として君臨している。
2014/09/11
調にバリエーションを増やし続けるキングセイコーだが、どういった戦略を持ち、これからどういったブランドへと成長していくのだろうか?1961年。東京・亀戸にある第二精工舎で、ひとつの時計が生まれた。キングセイコーと命名されたその時計は、当時の大卒平均初任給とほぼ同額である1万2000円〜1万5000円という価格帯の高級時計であり、躍進する日本のビジネスマンに向けた実用時計として人気を博した。グランドセイコーが“時計の理想を追求したもの”だとするなら、キングセイコーは“優れた時計が欲しいという人々の理想を追求したもの”といえるだろう。ブランドの最前線に立つ企画担当者である大宅宏季氏とデザイナーの松本卓也氏は語る。「かつてのキングセイコーには日常的につけられる高品質な時計を多くの人に届けたいという思いがありました。そのため、加工の際の制約なども考慮しながらパネライスーパーコピー優良サイト時計のデザインを丁寧につくり上げていったのだと思います」そう語るのは、デザイナーの松本氏だ。その復活プロジェクトはキングセイコーの60周年へ向けてスタートし、まずは復刻モデルの製作がスタートした。そして同時にレギュラーモデル化を見据えた研究開発も進められた。「ブランドメッセージとして掲げたのは“The Newest Classic”。ベーシックな要素を持ちながら、現代的な新しい感覚を取り入れた存在であること。そうした時代を超える価値あるものを提供するためには、伝統を守りつつブラッシュアップさせなければいけません」と企画担当者の大宅氏は話す。「60年代は時計業界の変革期で、各ブランドがさまざまなチャレンジをしていた時代でした。当時の資料を見返すと、かつてのキングセイコーには時代を超えて愛され続けるようなタイムレスな魅力を持った製品がたくさんあったのです。だから現在のキングセイコーも、今の時代背景を意識したタイムレスなデザインを心がけています(松本氏)」キングセイコーでは現在、Cal.6Lと6Rというふたつのムーブメントを用いてコレクションを展開しており、そのムーブメントの個性の違いを活かしたバリエーションを広げている。オリジナルモデルの精神を今に継承する6Lモデルキングセイコー KSK キャリバー 6L35モデル薄型自動巻きムーブメントのCal.6L35を搭載することで、1965年製の2代目キングセイコー“KSK”が持っていたスタイルを巧みに継承したフラッグシップモデル。夜光塗料も使用せず、モノトーンでまとめることで洗練された雰囲気を作り出す。2022年にブランドとして復活を遂げたキングセイコーは、1965年に販売を開始した2代目キングセイコー“KSK”(KSKはリューズを引いて秒針を規正するハック機能を持った当時のモデルの略称)を手本としている。しかし当時のデザインをそのままトレースするのは不可能。なぜなら、当時と現在では使用できるムーブメントが異なるからだ。特にプロポーションを左右するのがムーブメントの厚さだ。オリジナルモデルは手巻きムーブメントを使用していたためケースも薄かったが、現在のキングセイコーでは自動巻きムーブメントを使用する。可能な限り薄くするためにCal.6Lが選ばれた。「Cal.6L35は、セイコーの現行機種で最も薄い設計の自動巻きムーブメントであるため、よりオリジナルに近いプロポーションを再現できるというメリットがあります。もちろん当時とはムーブメントが違いますし、現行のムーブメントを使いつつオリジナルのプロポーションに近づけるという調整作業はとても大変な部分でした。デザインする際は、オリジナルが持っていたケースの大胆なプロポーションや堂々とした佇まい、雰囲気を生かしたいと考えました。細部を検証してみると、かつてのキングセイコーは今見ても非常に挑戦的なデザインやディテールを取り入れていることに気が付きました(松本氏)」特にその造形美を象徴するのがラグ周りだ。細いベゼルとコントラストを描く太めのラグは、その側面に斜面をつくることでキレイな三角形が現れる。「美しいディテールをしっかりと強調できるように過去の図面や資料を見返し、デザイン意図を読み解きながら慎重に進めました。ラグに関しては少しでもひとつの面を磨きすぎると、バランスが崩れてしまいますし、稜線を出しながら4つのラグを均等に研磨するのはかなり難しいことです。加えて言うと12時位置の略字インデックスは上面にギザギザのライターカットを施していますが、これもキングセイコーのアイコニックなデザインとなっています(松本氏)」オリジナルモデルと同じくシルバーダイヤルを採用したRef.SDKA005。一見するとシンプルなマット仕上げに見えるが、実は放射状に繊細な筋目を入れている。そのため光を柔らかに反射し、濃淡を作り出す。視認性に優れるブラックダイヤルは洗練された雰囲気も強まる色。しかもRef.SDKA007では、ブルーがかったブラックにすることでモダンなデザインとの相性を高めた。12時インデックスのライターカットも印象的なディテールだ。さらに6Lモデルでは3面カットの針を使用。光をうけてキラッと輝く様は、まさに高級時計らしい佇まいを感じさせる。ダイヤルカラーもキングセイコーがこだわった点である。6Lモデルでは、KSKに倣ったシルバーダイヤルとシックなブラックダイヤルを用意するが、実はここにも繊細なチューニングが加えられた。「定番色に見えますが、実はどちらの色もセイコーとしては初めての試みなのです。シルバーダイヤルでは、サンレイ仕上げの加工方法を新しくすることで繊細な光の濃淡をつくるようにしました。またブラックダイヤルも初めて採用した色です。通常のセイコーのブラックダイヤルは、明るい光の下では少しブラウンに見える色味であることが多いのですが、キングセイコーではそのクールなイメージに合わせるためにわずかにブルーがかったブラックを新たに開発しました(松本氏)」さらに驚くべきは、シルバーダイヤルとブラックダイヤルで時・分針とインデックスの仕上げを変えているということだ。前者は時・分針の3面すべてとインデックスの上面を鏡面に仕上げ、黒光りさせることで視認性を確保しているのに対し、後者は時・分針の上面をヘアライン仕上げに、インデックスの上面に筋目加工を施すことでそれぞれの存在を際立たせ、視認性を確保した。こうしたていねいなディテールへの配慮は、60年を経て復活したブランドのものづくりの姿勢を示している。上位機種である6LモデルのRef.SDKA005(写真)とSDKA007の針は極めてシャープなドーフィン型を採用する。しかも左右の斜面にもカットを加え、トップはダイヤルカラーで仕上げを変えるという手間のかかる3面カット針になっている。Cal.6R31を搭載するファーストコレクションのひとつであるRef.SDKS003もドーフィン針だが、左右を斜面とし、シャープな稜線を作り出す2面カット針を採用。統一感のあるデザインコードでありながら、ディテールの違いで個性を生み出す。Cal.6L35。2万8800振動/時で、日差+15秒〜−10秒の精度を誇る。6Lモデルが搭載するCal.6L35の厚みは3.69mm。これはセイコーの自動巻きムーブメントで最も薄い設計であり、だからこそオリジナルのプロポーションに近しいデザインを探求することができたという。しかしその一方で、かつてのキングセイコーとも異なる、現在の加工技術だからこそ可能な手間のかかるディテールを与えることで、クラシカルで品格が漂うスタイルのなかに、進化したキングセイコーの姿を投影したのだ。

ウブロの最新“マスターピース”は腕時計とは言えないが、それはそれでいい。
2014/05/06
今、私が気に入っていると認めざるを得ないのは、初期のウブロ MDM ジュネーブだ。カルロ・クロッコ(Carlo Crocco)氏による新ブランドが1980年のスイス時計業界に登場したとき、ゴールドケースに一体型ラバーストラップとクォーツムーブメントを組み合わせるという、ちょっとクレイジーなことをやってのけていた。そのすべてがウブロ(フランス語で舷窓)のスリムでエレガントな36mmの時計に収められていたのだ。そのオリジナルの精神は、現代の「クラシック・フュージョン」のラインナップにも受け継がれている。ウブロスーパーコピー優良サイトのMP(マスターピース)コレクションはこれとは正反対であり、ウブロは「MP-10 トゥールビヨン ウェイト エナジー システム チタニウム」を発表した…発音しにくいモデル名を持つ時計の名前だ。hublot mp-10 MP-10 TOURBILLON WEIGHT ENERGY SYSTEM TITANIUM ほかにも認めなければならないことがある。私は新しい「MP-10 トゥールビヨン ウェイト エナジー システム チタニウム」があまり好きではない。というか少なくとも私にはよく理解できないし、おそらくこれを読んでいるあなたも同じ意見だろう。ただしウブロは私たちの意見なんてどうでもいいし、私はそのスタンスを気に入っている。1980年のMDM ジュネーブがそうであったように、この新しいMP-10も、2024年にはそうなるかもしれない。ほかの多くのブランドが批判を気にしすぎるあまり優柔不断になり、理論状のフォーカスグループ(少人数の顧客)を喜ばせるために、ほとんど同じように見える時計をリリースしているが、ウブロは違う。 (元同僚の)サラ・ミラーは昨年、ウブロの奇妙な世界を探検した際、“クマになるならグリズリーになりなさい”と書いていた。そして「MP-10 トゥールビヨン ウェイト エナジー システム チタニウム」はまさに、とんでもないグリズリーなのである。hublot mp-10 MP-10 TOURBILLON WEIGHT ENERGY SYSTEM TITANIUM この特殊なグリズリーのストーリーは、592個のコンポーネント、ふたつのリニアウェイト、傾斜したトゥールビヨン、円形のパワーリザーブインジケーターを持つ、新しいキャリバーから始まる。MP-10にはダイヤルがなく、すべての表示はキャリバー自体から直接読み取るのだ。時間・分・秒・パワーリザーブ(見て、針がない!)を表示する、4つのローラーが常時回転している。 巻き上げシステムも新しい。これらのローラーを備えた中央構造の両側には、ホワイトゴールド製のふたつのローターが配置され、ムーブメントを双方向に巻き上げる。これらすべてが、54×41×22mmの大きなマイクロブラスト仕上げのチタンケースに収められている。つまりジャガー・ルクルト レベルソ・スモールセコンドを4つ分を、手首の上にレゴのように積み重ねていくのと同じである。 「MP-10 トゥールビヨン ウェイト エナジー システム チタニウム」の価格は3639万9000円(税込)、世界限定50本のため、あなたや私がこれを見る可能性は、私たちがグリズリーの襲撃から逃れるのと同じくらいの確率である。我々の考えhublot mp-10 MP-10 TOURBILLON WEIGHT ENERGY SYSTEM TITANIUMhublot mp-10 MP-10 TOURBILLON WEIGHT ENERGY SYSTEM TITANIUMウブロには敬意を表すべきだ。彼らはいつも自身を出し抜く方法を見つけるが、今回もやってのけた。文字盤のない時計だって? キャリバーの真ん中にあるいくつかのローラーで直接時間を知る? ほかに誰がその方法を思いつくのだろうか。ほかのほとんどのスイス時計ブランドの役員会では、そのような話は出てこないと思うし、少なくとも雇用を維持することにこだわる人たちからはそんなアイデアは出てこない。 ウブロはスイス時計ブランドのなかで、本当に自由なブランドかもしれない。それは“なぜ?”ではなく、“なぜダメなのか?”を問うものだ。確かに、「MP-10 トゥールビヨン ウェイト エナジー システム チタニウム」は、ちょっと不格好かもしれない。私は80年代にあったMDM ジュネーブのウブロを愛しているが、40年前にあったあのゴールドケースとラバーストラップでできた時計は、現在のMP-10と同じくらいアバンギャルドだったことを、心のどこかで覚えている。基本情報ブランド: ウブロ(Hublot)モデル名: MP-10 トゥールビヨン ウェイト エナジー システム チタニウム(MP-10 Tourbillon Weight Energy System Titanium)型番: 910.NX.0001.RX直径: 54.1×41.5mm厚さ: 22.4mmケース素材: シャイニーマイクロブラスト加工チタニウム文字盤: 文字盤はなし針: 針はなしインデックス: インデックスはなし夜光: 夜光はなし防水性能: 30mストラップ/ブレスレット: ブラックのストラクチャーラバーストラップ、チタニウム製デプロワイヤントバックルhublot mp-10 MP-10 TOURBILLON WEIGHT ENERGY SYSTEM TITANIUMムーブメント情報キャリバー: HUB9013機能: パワーリザーブ、スケルトントゥールビヨンパワーリザーブ: 約48時間巻き上げ方式: 自動巻き振動数: 2万1600振動/時石数: 66クロノメーター: なし追加情報: キャリバーと文字盤が合体し、ムーブメントから直接時刻を読み取る。正気の沙汰とは思えない。詳しくは上の記事を読んで欲しい。価格 & 発売時期価格: 3639万9000円(税込)限定: あり、世界限定50本

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