山寿会 スタッフ日記

ブライトリングによるユニバーサル・ジュネーブの買収は、
2013/08/22
ユニバーサル・ジュネーブ復活のタイミングは過ぎたと思った。流通市場におけるヴィンテージユニバーサルの価格は(公正を期すため、ほとんどの時計と同様に)、ピーク時よりも下がっており、熱心なコレクターを除いて、多くの人が同ブランドから離れてしまったように見えた。HODINKEEにも多くのユニバーサルファンがいることは周知の事実であり、ユニバーサルの復活を願ってきた私としては、時計業界で成功することの難しさについて現実的に考えるようになった。UG(ユニバーサル・ジュネーブ)を“再開”するのにベストなタイミングは、ブライトリングスーパーコピー 代引きおそらく数年前だっただろう。しかしよく言われるように、始めるのに2番目にいい時期は今だ。ユニバーサル・ジュネーブ トリコンパックス。ほとんど諦めていたとはいえ、密かに希望を抱いていた部分もあった。時計業界に入ったばかりの頃は、ユニバーサルについて読んだり、調べたり、機会があれば扱っていたりした。私の“聖杯”リストのなかには、特定のユニバーサルがいまだリストのトップ近くにある(トップ10のうち、ユニバーサルは2本入っている)。その一部は、長年にわたるユニバーサルに関するベンの文章を読んで形成された、“HODINKEE効果”によるものだ。トニー・トライナがかつて言っていたように、すべてのヒップスター(流行に従う人)が好むヴィンテージブランドであり、私もそう呼ばれることがある(人気が出る前のデス・キャブ・フォー・キューティーが好きだったから)。しかし、ロレックスのGMT以外の時計で最初に好きになったのが、パテック 1518のような世界をまたにかける人のためのような素晴らしい時計であるトリコンパックスだったというのは嘘ではない。ブランドが新たなオーナーの下、再スタートを切ったとき、ユニバーサル・ジュネーブを復活させるというアイデアは強烈なもののように思えた。最近までブランドを所有していた香港の投資グループ、ステラックス・ホールディングスがユニバーサルブランドで製造していた時計は、ブランドの伝統に沿ったものではなかったからだ(アジア市場以外ではほとんど存在しなかった)。だがもしかしたら、ほかの誰かならもっとうまくやれるかもしれないと思った。憧れの“カイレリ”ユニバーサル スプリットセコンド クロノグラフ。ここでブライトリングの登場だ。このリローンチを取り巻く人々との私的な会話では、これがいままで行われたなかで最も困難なリバイバルになるかもしれないと理解しているように感じる。私が話をしたコレクターの一般的な感情は、よく言えば非常に慎重なものだ。過去に何度もがっかりさせられてきたのかもしれない。たぶん、この先どれだけ大変な課題が待ち受けているか知るのに、十分なことを学んだ。本当に、“すべてを手に入れる”ことはできないのではと心配しているのだ。ユニバーサルを時の試練に耐えうる偉大なブランドにしたもの、つまり価値、デザイン、複雑さなどは、現代の状況を考えるとそれらのバランスを取るのは難しい。では、ブライトリングは新しいユニバーサルをどう読み解くのか?事業開始のためのコストUGを買収するというアイデアは、それほど目新しいものではない。過去10年ほどのあいだに、少なくとも6社がユニバーサルの買収に多額の資金を提供した。そのなかには、ブランドの遺産に情熱を傾けているコレクター(時計ブランドの経営経験はない)から、ヘリテージブランド(おそらくセリタムーブメントを搭載し、ブランドコアを無視する)を活用するビジネスプランをうまく組み込むことができるほどの知名度に関心のあるビジネスマン、またほかよりも資格がある者もいた。ブライトリングもまた、ユニバーサルに挑戦した唯一の大規模な時計会社・組織ではなかったが、最終的には勝者となった。ブライトリングが支払ったとされる金額は、ほかのどこかが提示した金額の何倍もあるという噂だ。明らかに、彼らはユニバーサルに商業的価値を見出している(ただ、古いクロノグラフやジェンタデザインのマイクロローターウォッチがいくら好きだからといって、そこまで大金をかけることはないだろう)。そして彼らはそれを復活させる自信を持っているのだ。しかし、それはブライトリングが新しいユニバーサルを商業的に大成功させなければならないことも意味している。言いたくはないが、ユニバーサルの会社が存続するためには、筋金入りの愛好家以上の層が必要だ。新生ユニバーサルもビジネスであり、大量に売れる時計をつくる必要がある。つまり、より多くのユーザーを満足させるためには、デザイン上の譲歩が必要になる可能性が高いということだ。コール・ペニントンのWeek on the Wrist記事から抜粋したポールルーター。しかしユニバーサルがまず間違いを犯す可能性があるのは、デザイン、サイズ、ムーブメントなど、時計愛好家がしばしば深く研究に没頭していることとは何の関係もない。そうではなく、私にとっての核心的な問題は、すべて価格についてだ。最も希少で収集価値の高いヴィンテージユニバーサルの価格は3万ドル(日本円で約435万円)を超えるが(ときにはそれ以上)、ユニバーサルは決して高級ブランドではない。ブランドの大きな魅力であるユニバーサルムーブメントの仕上げは、決して優れたものではなかった。多くの場合、その“仕上げ”とは、ムーブメントに名前、シリアルナンバー、キャリバーを刻印し、ケースに収めることを意味する。これはこの価格セグメントでは当然のことであり、長いあいだクロノグラフ界をリードしていたユニバーサルに損害を与えるものではなかった。しかし11年前、ベンが2750ドル(当時の相場で約40万円)で素晴らしい出自を持つトリコンパックスを手に入れたときが、ユニバーサルを収集することの意味のある理由でもあった。ヘンリー・グレーブスJr.の孫であるピート・フラートンが所有していたベン・クライマーの時計は、象徴的な“笑みを浮かべる月”を備えている。ヴィンテージのユニバーサル・ジュネーブ成功の一因は、ツールウォッチの黄金時代を体現していることだ。これらは人々が時間を知るための身近な方法を必要としていた時代のために製造された専用の機械であり、今それを身につけることは、ノスタルジックを感じられると同時に、最もロマンチックかつ不必要なことでもある。フィルムコンパックスは、今日では決してつくられることのない、撮影監督のための専用ウォッチだった。ダイバーにポールルーター・サブはいらないし、偵察用のパイロットに24時間ダイヤルのついた特大スプリットセコンドクロノグラフも必要ない。防水仕様のパテック Ref.1463が425ドル(日本円で約6万円)で売られていた頃、防水仕様のユニバーサルは110ドル(日本円で約1万6000円)で人通りの多い場所で売られていた。超大量に販売できるようなものだ。これらはあくまでも道具であり、貴重な作品ではなかったのだ。時代は変わり、顧客の要求も変わった。熱狂的なマニアは一般大衆よりも、お金に見合うよりよい仕上げを期待しているので、ユニバーサル(とブライトリング)に対してコストを正当化するために、市場規模を拡大するよう迫るかもしれない。仮に、ニバーサルをより上位のブランドと位置付けたとしよう。その場合、市場での歴史的な地位を無視し、最初から手探りでやる可能性があるため、彼らはすでに伝統の大部分を失うことになる。パイロットのエアロコンパックス。それから自社製キャリバーのコストもある。リニューアルを発表するにあたり、ブライトリングはユニバーサルの自社製キャリバーの歴史と、ブランドの伝統にとってのキャリバーの重要性を認めた。ブライトリングのブランド歴史学者であるフレッド・マンデルバウム(Fred Mandelbaum)氏(別名Watch Fred)は、ブライトリングの買収に関する私たちの記事に、“UGではマスマーケット用ムーブメントはつくらないだろう”とコメントしている。しかし、既存のブライトリングムーブメントを再パッケージ化するのか、あるいはヴィンテージのユニバーサルムーブメントを再現するのか、それとも別のものになるのかはまだわからない。ユニバーサルがマーテル社製キャリバーを使用していた曖昧な歴史については触れないが、これらのムーブメントがヴィンテージユニバーサルの主要なセールスポイントのひとつであることは間違いない。しかしユニバーサルのキャリバーを製造するためのツールはとっくに失われている可能性が高く、ムーブメントとそのツールを再開発するためのコストはかなりのものだろう。昨年の初め、私はある大手ブランドのヘリテージ部門に、これまでとは異なる象徴的なクロノグラフムーブメント、バルジュー72をゼロからつくり直すにはいくらかかるかを尋ねた。ブランドはそのアイデアを検討し、価格は約1000万スイスフラン(日本円で約17億円)見積もったという。これはかなりの金額であり、そのような投資をビジネスとして成り立たせるためには多くの時計を売る必要がある。Week on the Wrist記事から、Cal.321ムーブメントを搭載したオメガの新作、“エド・ホワイト”スピードマスター。少なくとも1度は行われた投資の例で、オメガがCal.321を再導入し、大きな効果を上げたことは記憶に新しい。それでも、3861ムーブメントを搭載した“サファイア製”スピードマスターの約2倍という価格になった。ブランドの伝統を守るために、ユニバーサルは同じアイデアを5000ドル(日本円で約72万5000円)のコンパックスと3000ドル(日本円で約43万5000円)のマイクロローターポールルーターで実現する必要がある。私は警鐘を鳴らしているわけでも、ユニバーサルに低価格を維持するよう要求しているわけでもない(というのもそれが私にできることだからだ)。とはいえ、そのことについてはかなり透明にしているつもりだ。ユニバーサルが1万5000ドル(日本円で約217万7000円)でおもしろい時計をつくれることは間違いない。しかし、それは過去のブランドの姿ではないし、その伝統を尊重するならば、将来のあるべき姿でもない。

話題に上がった時計を今週もお届けしていく。
2013/04/29
今週もまた、おなじみのものからひねりを加えたユニークなものまで、幅広くピックアップしてお届けしよう。オーソドックスな選択としてロレックスのデイトジャストがあるが、これはただの古いデイトジャストではない。この個体はブラックオニキスの文字盤が印象的だ。クロノグラフのほうが好みなら、ジム・クラーク(Jim Clark)のギャレットと、ペルーのモータースポーツクラブのために製作されたオメガの懐中時計をおすすめする。それより壮大な規模のものをお探しなら、プゾー260を搭載したスクールウォッチと、これまで見たなかで最もシャープなチューダー アドバイザーをチェックだ。テクニカム ドゥ ロックル スクールウォッチロレックススーパーコピーn級品時計業界は確かに進歩しているが、時計師の養成に専念している機関は、時計学の基本が現在まで忠実かつ適切である限り、それほどカリキュラムの変更はされない。今でも実践されている伝統のひとつとして、学生が自分の能力を発揮し、時計師として認められるために組み立てるスクールウォッチの製造がある。たまに売りに出されているのを見かけるのだが、なかには紛れもなくほかのものより素晴らしいものがある。今週初め、この表現にふさわしいスイス製ウォッチが私の目に留まった。今から明かす内容を読んでいただければ、今回のまとめ記事にこの時計が含まれていることをきっと理解していただけるだろう。 このスクールウォッチは、1933年に学校が合併して設立されたテクニカム ヌーシャテル ル・ロックル(時計学校)まで遡る。ステンレススティール製の裏蓋の下には、コンペティション用ムーブメントのプゾー Cal.260が収められていることから、おそらくこの作品は1950年代に製造された可能性が高い。同キャリバーの例は、天文台のクロノメーターコンクールという明確な目的のために製造され、いくつかのメーカーが応募用に改造するベースキャリバーとなった。構造的にも、Cal.260は完璧なプロポーションであり、露出したコンポーネントとブリッジを隠す部分が最適なバランスとなっており、目を見張るものがある。ほかのモデルよりも高い水準で仕上げられたものもあるが、このキャリバーのデザインは最も質素な形ながら美しい。 ほとんどの人はその起源とメカニズムだけで魅了されるだろうが、真に飽くことを知らない人のためにお伝えすると、この個体の文字盤、針、キャリバーを収納するケースは、最後に2007年のクリスティーズで一般販売されたブレゲ No.1134と同一のものだ。納得できない場合は、両方のピースのサイズを確認し、ふたつの時計に見られるユニークなラグのデザインをよく見て欲しい。ベゼルはわずかに異なっているように見えるものの、ブレゲとテクニカムは同じケースメーカーが製造していると考えていい。 バルセロナのMimandcroketが、時計製造教育の歴史に残るこの時計を希望価格1万6000ユーロ(当時の相場で約195万円)でウェブサイトに掲載している。詳細はこちら。ギャレット マルチクロン 12 ブラック文字盤のトリプルレジスタークロノグラフはごまんとあれど、歴史に名を残すものはほとんどない。そのような時計は、著名な人物や歴史的な出来事に関連していることが多く、次の個体もその例外ではない。F1界のレジェンド、ジム・クラークによって有名になったこのバルジュー72を搭載したモデルは、メジャーブランド以外のクロノグラフのなかでも、近年、過剰な人気を博した時期を過ぎても長生きしている数少ないモデルのひとつである。これは市場がポップカルチャーや歴史的意義とのつながりを持つ、重要なキャリバーを動力源とする伝統的なスタイルの作品に、常に親切であるということを示している。 12時位置にギャレットのサインがあることからもわかるように、これは1970年代初頭に製造された、名高いクロノグラフの後期モデルである。初期の例では、ブランド名がすべて大文字の小さな書体で印刷され、少し後に製造されたものは、文字盤に大きく、しかし同様に統一された書体でブランド名が印刷された。私のようなコレクターのにとって、それ以前のモデルが常に特別な存在であるが、ギャレットの“G”のような奇抜な時計の針のグラフィックは長いあいだ評価されてきた。こういった細かなデティールが、深い集中状態と考察を必要とするゲームを魅力的なものにしているのだ。 文字盤については、時間の経過とともにかなり古くなったようで、傷があったとしてもほとんど見えない。夜光塗料は完璧とは言えないものの、そのオリジル性と手つかずのナチュラルさを物語っている。ケースも同様で、表面には小さな傷があるのみで磨かれておらず、シャープな線が残ったままだ。奇妙なことに、この時計は現在、オメガ製のナンバー47のエンドリンクとナンバー1175のブレスレットに取り付けられており、出品者は単に“オリジナルではない”とだけ説明している。スピードマスターをドレスアップしたくて、もう1本ブラックダイヤルのクロノグラフが欲しいという方、一石二鳥のこの機会にどうぞ。 カリフォルニア州サンブルーノのeBayセラーがこのギャレットを提供していた。この記事が公開された時点では、入札価格は3500ドル(当時の相場で約37万円)からとなっていた。ロレックス デイトジャスト Ref.16018、1977年製 誰もが経験したことがあるだろう。映画を見ていたり番組に夢中になっているとき、誰かの手首がフレームに入ると一時停止ボタンを押す。その行動はそれほどまでに時計に執着している人であることがわかる。それは私がオニキスダイヤルのデイデイトの一覧タブを別画面で開きながら、『マスター・オブ・ゼロ(原題:Master of None)』を見ているときだった。念のために言っておくと、予感を的中させたあとは番組自体に集中し、多少気になる強迫行為に歯止めをかけたが、それ以来その時計への興味が薄れたかと言えば嘘になる。 材料はさておき、ほとんどのストーンダイヤルのデイデイトが持つ主な美しさの魅力は、ロレックスのクラウンロゴと通常の文字盤テキスト以外の要素がないことだ。この素朴で無機質な外観は、半貴石の美しさと全体のデザインに集中することができる。それはこのRef.16018 デイトジャストのようなモデルにも言えることで、間違いなくその概念を次のレベルに引き上げてくれる。曜日窓がないぶん機能性が失われるが、より無機質さが強調され、腕の上でよりピュアな外観を作り出してくれる。 私自身の探求はすでに終わったかもしれないが、私は今でも注目すべき事例に目を光らせている。そして先日、そのひとつを発見したとき、今週のコラムで取り上げるべきだと思ったのだ。ほかのヴィンテージウォッチと同様に、ストーンダイヤルのデイトジャストを手に入れるには、コンディションとオリジナリティが勝負の分かれ目となる。オリジナルの針と完璧な文字盤、そして厚みのあるケースなど、この個体は想像しうるすべての条件を満たしている。金無垢時計にブラックダイヤルは、独特の悪趣味なルックスであり、デイトナの領域に入るまでもなく、マイナーの極みである。 この理想的な構成のデイトジャストは、パリにあるディーラー、Harbor Watchesが提供している。価格は1万7900ユーロ(当時の相場で約218万円)だ。そのほかの写真はこちら。チューダー アドバイザー Ref.7926 私が時計に興味を持った瞬間から今日に至るまで、チャイム機構は常に私にとって非常に興味深いものだった。問題は、ミニッツリピーターやクォーターリピーターの領域に参入するためのコストが決して安くないことだ。ほとんどの人にとって、これらは聖杯の領域に存在している。とは言っても、アラームウォッチは比較的お得に手に入れられるし、調律されたチャイムの代わりにバイブレーションの振動で時刻を知らせてくれるもので問題なければ、素晴らしい時計をたくさん見つけることができる。チューダー アドバイザーも例外ではなく、アラームウォッチを次に選ぶなら、ぜひこの記事を読み進めて欲しい。ADVERTISEMENT これはチューダー アドバイザーの系譜における最初のリファレンスであり、1957年のヴァルカン クリケットとジャガー・ルクルト メモボックスに対するブランドの回答として始まったモデルだ。アプライドのバラのロゴでないことからわかるように、この例は1960年代後半に製造されたもの。質問される前に伝えておくと、時計に装着されているリューズは交換品ではない。サインのないリューズはRef.7926の特徴であり、チューダーのバックカタログのなかでも特に興味深いリファレンスのひとつだ。またア・シルト社製のCal.1475ムーブメントという特徴を加味すると、かなり型破りなオイスターだと思われる。 日常的に目にすることのない時計であることはさておき、この特別な例はそのコンディションのよさも注目に値する。端的に言えば傑出した個体であり、ディーラーのなかにはこのような製品を“新古品”と呼びたがる人もいるだろうが、この言葉には少し抵抗がある。それにもかかわらず、この時計は信じられないほど素晴らしい状態で、ケースは手付かず、文字盤も完璧だ。すべての夜光部分も上品にエイジングされた均一なカスタードトーンになり、文字盤のシルバーサンバースト仕上げを大いに引き立てている。 このチューダーはeBayに出品されており、マサチューセッツ州ミルフォードに拠点を置くセラーが出品していた。金曜日の朝の時点で、すでに1225ドル(当時の相場で約13万円)の入札を達成している。オメガ ラトラパンテ ポケットクロノグラフ 多くの新参コレクターは、オメガを月に行った時計のブランドとして評価するだろうが、このひとつの功績だけを認めることは、豊かで重要な歴史を無視することになる。オリンピックを見たことがある人なら、オメガの名声が月探査ミッションとの関係をはるかに超えていることを知っているだろう。1930年以来、オメガは重要なスポーツイベントに高度なタイムキーパーを供給してきた。その後状況は進歩しているが、現在のものよりも前に登場したものは、今でも非常に印象的である。例えば、今週最後に取り上げるこちらの個体だ。 今あなたが見ているのは、同社が1950年代に製造していたであろうCal.1130を搭載した懐中時計だ。このレマニアキャリバーを特別なものにしているのは、24リーニュという巨大な存在感であり、すべての部品が識別しやすくなっている。裏蓋を外して巻き上げると、各パーツの機能や、それがどのように重要な役割を果たしているかが理解できる。実際に動いているのを見るのは本当に素晴らしいことだ。 魅力的な理由はいくつもあるが、最も特徴的なのはオリジナルの保護ケースが付属していることだ。ストップウォッチを雨風から守るだけでなく、ケースに入れた状態だとクロノグラフのプッシュボタンしか押せないため、より厳密な計測が可能である。あまり目立たないが、おそらくもっと重要なのはふたつ目の文字盤サインだ。ペルー自動車クラブ(Automóvil Club Peruano)とを結びつける“A.C.P.”というサインがあり、この時計がもともとモータースポーツの計時を目的としていたことを裏付けている。バウハウススタイルの美しい書体と、外周トラックにある波のようなパターンと相まって、このモデルにはたくさんの魅力が詰まっている。 パリのArtcurialが、レトロモービルショーを記念したRacing, Flying & Yachting Rétromobileオークションにて、この希少なオメガを提供した。結果は1170ユーロ(当時の相場で約14万円)にて落札。詳細はこちら。自己責任: ロレックス サブマリーナー Ref.5512 記事を締めくくる前に、多くの人にとっては正規品に見えるかもしれないが、実際にはそうではない腕時計について触れておきたい。これは素晴らしいギルトダイヤルを持つサブマリーナーのように見えるかもしれないが、実際には偽物や不正なパーツを寄せ集めたものである。文字盤、ケース、後期のノンバタフライローターに至るまで、この部分についてはほとんど説明がつかない。また興奮してしまうほどの過度に色あせたベゼルも偽物だ。物事が見かけどおりでないことを示すいい事例だ。どんな理由であれ、偽ヴィンテージロレックスのファンは、ゴーストベゼルインサートが大好きだ。 この時計は2月1日にアトランタで開催されるオークションに出品され、推定1万8000ドルから2万2000ドル(当時の相場で約192万〜235万円)で落札される。

新しいタグ・ホイヤー カレラ クロノスプリント × ポルシェについて話そう。
2013/02/26
これはポルシェ911とホイヤー カレラ、両方の誕生60周年を記念して作られた、奇妙だが非常に興味深い時計である。また、これだけでは飽き足らないという人のために、ポルシェ愛好家向けの情報(それと新車発表)もあると先に伝えておこう。ポルシェのコレクターとファンが3〜5年に1度集まる大規模なイベント、レンシュポルト・リユニオン7に幸運にも参加した私に“ホット・ラップ”の要請があった。ほかの何人かは憧れの新型911 GT3 RSで周回を重ねたが、私はパイロットのティモ・ベルンハルト氏(元ポルシェのワークスドライバー)の隣、GT4の助手席に座るのがちょうどよかった。今年の上半期に開催されたミッレ ミリアで、ロマン・デュマ氏(私たちのホット・ラップグループで別のマシンを操っていた)が4日間も我慢を強いられたのだから、彼にあと2周も我慢してもらいたくないと冗談を言った。ベルンハルト氏は貧乏くじを引いたに違いない、と私は言った。今回ベルンハルト氏と一緒に走ったことで、2010年のル・マンを制したアウディ・スポーツ・ノースアメリカ・チームの3分の2と一緒に走ったことに気づいたのは、後になってからだった。彼は笑いながらアクセルを踏んだ。タグ・ホイヤースーパーコピーn級品 代引きスマートフォンはほとんど手から離れず、撮影したビデオのほとんどは、控えめに言ってもお粗末なものだった。ポルシェ911のプロトタイプ #7。現存する911のなかで、2番目に古い。というわけで私が知っていること、つまり時計に集中しよう。私は新米の“クルマガイ”だが、ディープなクルママニアとウォッチマニアには少なからず似たところがある。すべてのクルマ(あるいは時計)のスペックや仕組みを知っていたり、念入りに調べても、それらは私の手では届かない。また系統や歴史、伝承を理解する上で重要な数字やリファレンスもあるが、特に初心者にとっては混乱しがちだ。ただひとつ知っていることは、初代ポルシェ911が初めてサーキットに登場したとき、0〜100km/hを9.1秒で走ったということだ。GT4は加速が少し早く(合計3.9秒)、包み込んでくれるような豪華なバケットシートでもかなりハードな加速力を発揮する。タグ・ホイヤーはこのオリジナルの9.1秒の加速からインスピレーションを得て、新しいカレラ クロノスプリント × ポルシェを開発した。右上にあるクロノグラフプッシャーを押すと、クロノグラフ秒針が文字盤の3分の1を9.1秒で駆け抜けて突然加速する。クルマの加速は直線的なものではない。それと同様に、クロノスプリントのクロノグラフ秒針も、最初の加速が終わると徐々に速度が遅くなる。そして55秒の経過に近づくにつれ、60秒になる前に完全に停止し、再びスピードアップするようにさえ見える。タグ・ホイヤーのファンには39mmサイズの“グラスボックス”カレラが今年の市場を席巻しているが(これにはアップデートされたスキッパーも含まれている)、新しいクロノスプリントはこれらよりさらにい42mm径×14.9mm厚となっている。それは“グラスボックス”という名前の由来にもなった大きなボックス型風防も含まれており、フランジ周辺のインデックスをほぼどの角度から見ても、ひと目で読み取ることができる。これはタキメーターが付いた時計のほうが便利かもしれないが、ここではクロノグラフの奇妙な加速に合わせて調整された、専用の経過時間スケールがある。大きなサイズは、そのドーム型フランジの読みやすさに役立っているようだ。そのため、一般的にはヴィンテージに沿った(小振りな)サイズが好まれるが、42mm径でも議論の余地があると言えるだろう。いずれにせよ、この時計は私の手首に大きすぎるとは感じなかった。“フィーリング "の一部は視覚的な偏りであることが多く、この時計は私にも、レンシュポルト(・リユニオン)に試着させたほかの数人の手首にも、それほど大きくは見えなかった。これは新世代の風防がより歪みのないものになっているという事実も、それを後押しするかもしれない。スティール製モデルには、はっきりとしたシルバー文字盤もあり、視認性を高めている。インダイヤルの針やタコメーターのレッドラインを連想させる、マーカーのポップなカラーが目を引き、ずっと見ていても飽きないデザインに仕上がっている。いちばん残念な点は、ダイヤルの6時位置に日付窓があることだ。ダイヤルの清潔さを崩すだけでなく、日付を入れることでこのインダイヤルだけ3時や9時位置のように凹ませることができない。このムーブメントは実に興味深い部分だ。自動巻きCal.TH20-08は時・分・秒、そして日付表示を備える。しかし、タグ・ホイヤーはどのようにしてこのクロノグラフをこのような奇妙な方法で作動させることが出来たのだろうか? 私の直感としてはスネイルカムだと思った。設計上、クロノグラフの機能が奇妙な動きをするとき、ほとんどの場合スネイルカムが採用されている。そして案の定、これにもスネイル型の歯車がふたつあり、中央の針の減速運動を生み出していた。当初このデザインに確信が持てなかった。その理由はムーブメントの斬新さと、その斬新さに見合うだけのコストに、税込で115万5000円もかかるからだ。正確なタイミングを計るのに便利というわけではないが、それが重要なわけではない。パトリック・デンプシー氏との会話は、私にクロノスプリントを、少なくともその背後にある考えを理解する一助となった。そう、あのパトリック・デンプシー氏だ。タグ・ホイヤーとポルシェのアンバサダーを兼ねている、著名なレーシングカードライバーであり、さらにレーシングチームのオーナーでもある彼をご存じだろうか? まあ、テレビ番組や映画にも出ているからストーリーテラーでもあるんだろう。そしてそれがこの時計を理解する鍵となった。「これはストーリー性のある時計なんです」とデンプシー氏。「タグ・ホイヤーとポルシェの両社にとって、重要なのはストーリーです。物語に夢中になり、その世界に入り込むとそこに没頭したくなる。その意味で、この時計はタグ・ホイヤーにとって非常に重要なモデルだと思います。ポルシェとのつながりだけでなく、新しいムーブメントを生み出すことも意味しているしね」「彼らはストーリー性のある時計を介したツールを作っただけでなく、それを市場に投入したという事実は、革新的でありながら伝統を失っていません。そしてそれはポルシェと、新型の911によく似ています」911のようなクルマも機械式時計も実用的ではないが、だからといって多くの人がそのどちらかに夢中になるわけではない。フィーリング、感情、メカニズム、そしてそう、ストーリーが重要なのだ。レンシュポルトには上のプロトタイプの911のような魅力的なストーリーを持つクルマがたくさんあったので、ポルシェファンがストーリー性のある時計に夢中になることは想像に難くない。しかし、なかには興味深いストーリーを背景に持つ新車も発表された。実はデンプシー氏がレンシュポルトに参加していたもうひとつの理由は、タグ・ホイヤーとポルシェとの新たなパートナーシップのためだった。何年ものあいだ、彼は両ブランドのブランドアンバサダーを務めており、タグ・ホイヤーではポルシェより少し長く務めている。2015年のモータースポーツシーズンには、スポーツカー世界耐久選手権(世界的に有名なル・マン 24時間レースを含む)に911 RSRで参戦している。一方、デンプシー氏は拘束時間から耐久レースへの参加を控えているが、それでも出場できる方法を探し続けている。ミッレ ミリアはバサースト1000と同様、彼のバケツリスト(死ぬ前に達成しておきたいリスト)に載っているが、彼は少し“年老いてしまった”かもしれないと感じているようだ。しかし10月中旬、デンプシー氏は718 ケイマンGT4 RSをベースにした特別なスペシャルリクエスト(Sonderwunsch、ソンダーバーシュ)プログラムのプロジェクトカーに乗り込み、今年のカレラ・パナメリカーナの最初の2区間をドライブする予定だ。初心者のために説明すると、スペシャルリクエストプログラムとは、ポルシェによるワンオフカスタムカーとトータルリフレッシュサービスのことである。スペシャルリクエストプログラムはほかのカスタマイズプロジェクトでは物足りない人のために、クルマをまったく別のレベルへと引き上げてくれるのだ。タグ・ホイヤーとポルシェのコラボレーションによるこのクルマは、ナンバー154(2台目のクルマ、ナンバー152はレースで披露され、チャリティーオークションにかけられる)がつけられ、70年前にカレラ・パナメリカーナに出場したポルシェ550 クーペをほうふつとさせるデザインに仕上がっている。パワートレインに変更はなく、現行世代の911 GT3のエンジンを流用した4.0リッターのフラット6を搭載。つまり、7速デュアルクラッチオートマチックによる後輪駆動で、最大493馬力を発揮する。もちろん、カスタムメイドのインテリアをはじめ、随所にタグ・ホイヤーのテイストが盛り込まれており、車体全体はル・マンシルバーのメタリックで塗装されている。また、オリジナルのホイヤー ラリーマスターから着想を得たダッシュボードタイマーを搭載し(タグ・ホイヤーのテイストが随所に見られる) 、ムーブメントもまったく同じものにリファインしている。かつてのラリーマスターと同様、レビュートーメン社(Revue Thommen)のツインバレル式ムーブメント、Cal.63によって約8日間パワーリザーブを確保した“マスタータイム”を実現。もうひとつのディスプレイはモンテカルロ式クロノグラフを載せている。これは中央のア・シルド社(A.Schild)製のCal.1666を搭載したジャンピングアワーレコーダーで秒・分を記録し、さらにデュボア・デプラ社(Dupois-Depraz)が製造したジャンピングアワーコンプリケーションを搭載している。レンシュポルト・リユニオン7でカレラ クロノスプリントを頻繁に作動させたが、ほとんどの人がこの時計に対する私の最初の反応を分かち合ったと思う。特に自動車愛好家のあいだでは、タキメーターベゼルがないクロノグラフに何の意味があるのだろうか? と。多くの人がこの時計は壊れていると思っていたし、あるときは私も壊れていると思った。しかしこの週末はよく、クロノグラフを回しっぱなしにして少し待ち、その動きを見るようにすすめていた。1度も“すごいね”と言われなかったことはないと思う。真のクルマ好きは、それがクルマであろうと時計であろうと、いい話には夢中になるものなのだ。

ルイ・ヴィトンとの5つの限定コラボレーションの幕開けを飾る。
2013/01/24
今日、我々はカリフォルニア州モンテシトで開催された、絶対にコラボするとは予想していなかった2ブランドによるコラボレーションモデルのお披露目会に来ている。でもそうすべきだったのだろうか? ジャン・アルノー(Jean Arnault)氏率いるルイ・ヴィトンウォッチと、レジェップ・レジェピ(Rexhep Rexhepi)氏が手掛けるアクリヴィアが手を組み、両メゾンの感性(スタイルとウォッチメイキングの理念の両面において)を真に魅力的な形で融合させた、極めて複雑なタイムピースを作り上げた。LVRR-01 クロノグラフ ア ソヌリにご注目いただきたい。これはある意味世界初の時計であり、LVの時計製造部門を刷新するというアルノー氏のビジョンに沿ったものでもある。そして、別の名前を使って文字盤を共有するのなら、地球上最もよく知られた若手独立系時計師をおいてほかにいないだろう。ルイ・ヴィトンのロゴがほかのブランドと共有されたのは、この時計が初めてである。レジェップ氏といえば、クロノメーター コンテンポランやアクリヴィアを通じて大胆なデザインを手掛けることで有名だ。ジュネーブの旧市街にある彼の工房には何度か足を運んだことがあるが、その比較的小さなスペースで彼が成し遂げていることに、いつも驚かされる。時計学の歴史に目をそらすことなく、純粋に現代のウォッチメイキングを手がける。それはディテールであり、スーパーコピー時計正確さの問題である。だからこそ彼は有名なケースメーカーであるジャン-ピエール・ハグマン(Jean-Pierre Hagmann)氏のような人物を迎え入れ、自らの作品のためにケースを作ってもらっているのである(詳細は近日中に)。その一方で、ジャン・アルノー氏と彼が最近率いたルイ・ヴィトンウォッチ、それにラ・ファブリク・デュ・タン(同ブランドの時計が製造される工房)がある。ほんの数カ月前、アルノー氏がウォッチ・ディレクターとして見せた最初の重要な取り組みは、ブレスレット一体型の改良型タンブールの発売だった。この時計は現在、LVコレクションの目玉となっている。今年の初め、Talking Watchesエピソードのために彼と一緒に時間を過ごす機会があったのだが、彼はそのとき、未来に何が待ち受けているかに興奮していたといっても過言ではなかった。今になって、彼がタンブールをすぐに発表できる状態にしていたこと、そしてこのまったく新しい超熱狂的なレジェップ氏とのコラボレーションも用意していたのだと気づいたのだ。the LVRR-01 Chronographe à Sonnerie-1.jpg the LVRR-01 Chronographe à Sonnerie-2.jpg the LVRR-01 Chronographe à Sonnerie-3.jpg the LVRR-01 Chronographe à Sonnerie-4.jpg the LVRR-01 Chronographe à Sonnerie-5.jpg the LVRR-01 Chronographe à Sonnerie-boxこのモデルはモダンとトラディショナル、ふたつの側面を備えている。The LVRR-01 Chronographe à Sonnerieレジェップ氏は可能な限り薄い、11.9mmのケースを作ることにこだわった。The LVRR-01 Chronographe à Sonnerie毛深いベン(・クライマー)の手首には、半透明の文字盤越しに反転したムーブメントが見える。 LVRR-01 クロノグラフ ア ソヌリとは何のことか? ルイ・ヴィトン、レジェップ・レジェピ、ナンバーワン、クロノグラフ、ソヌリなど、その名が示すとおりのものが多い。だがもちろん、(文字どおり)それよりもはるかに複雑であり、ディテールにこそこの作品の真骨頂がある(これも文字どおり)。ADVERTISEMENT メカニズムを深く掘り下げる前に、デザイン的な手がかりから始めよう。これは手首につけたときに見えるダイヤルと、外したときにしか見えないダイヤルの、ふたつの文字盤を備えた時計だ。表にはサファイア製の文字盤があり、内部のムーブメントを生き生きと見せている。こちら側にはAKRIVIAとだけ書かれているが、それほど単純ではない。よく見ると、アクリヴィアの“v”がLVの象徴的なエンブレムの形をしていることに気づくだろう。細かいことに思えるかもしれないが、これは非常に重要なことだ。有名なLVロゴが、ほかのブランドのロゴと組み合わされたのはこれが初めてなのだ。時計を裏返すと、ルイ・ヴィトンの歴史を物語る伝統的な手法でつくられたホワイトのグラン・フー エナメルダイヤルが目に飛び込んでくる一方、表側はアクリヴィアの現代性を想起させてくれる。 しかしこの時計の正体は、レジェップ・レジェピ氏によってイチから開発されたまったく新しいトゥールビヨンムーブメントを搭載し、それをハグマン氏が製作・再設計したルイ・ヴィトン タンブールケースに収めた、チャイミング・コンプリケーションを備えたダブルフェイスクロノグラフなのだ。表面の半透明の文字盤には、プリカジュール(省胎七宝)と呼ばれるステンドグラスに似た技法を用い、半透明の焼成エナメルで満たされた6つのゴールドキューブを配置。これはジャンピングアワー表示を持つルイ・ヴィトン スピンタイムへのさりげないオマージュでもある。次に5分ごとに1回転するトゥールビヨンだ。これはクロノグラフ機能が作動すると、1分の経過時間ごとにソヌリのチャイム音が鳴る。LVとアクリヴィアは、クロノグラフの経過時間を知らせるソヌリ機構が腕時計に有効化されたのはこれが初めてであると考えており、今回のリリースをさらに興味深いものにしている。the LVRR-01 Chronographe à Sonnerie-1.jpg the LVRR-01 Chronographe à Sonnerie-2.jpg the LVRR-01 Chronographe à Sonnerie-3.jpg the LVRR-01 Chronographe à Sonnerie-4.jpg the LVRR-01 Chronographe à Sonnerie-5.jpg the LVRR-01 Chronographe à Sonnerie-boxデザインも構造もまったく新しい時計だが、レジェップ・レジェピ氏初の時計であるAK-01をさりげなくほうふつとさせる。 もちろん、これは昨年発売したオメガのクロノチャイムを思わせる。同じような価格帯の時計であり、技術的にも同じく経過時間を知らせるものだが、その方法はLV×アクリヴィアとは異なる。オメガではクロノグラフ機能を作動させて停止させ、チャイムプッシャーを押すと、合計でどれだけの時間が経過したかを音で知らせてくれる(さらに経過時間をダイヤル上で確認もできる)。LVRR-01では、着用時にクロノグラフダイヤルが見えなくなる。クロノグラフ機能を作動させると、ソヌリ機構が経過1分ごとに音を鳴らす。これは時計製造の観点からは非常に多くのエネルギーを必要とする快挙であり、実にユニークな試みである。 この時計のために両ブランドが手を組んだのには理由がある。それは各ブランドが歩んできたウォッチメイキングの歴史にある。アクリヴィアの最初の時計、AK-01はクロノグラフとトゥールビヨンの両方を搭載していた。そしてルイ・ヴィトン初のコンプリケーションウォッチであるタンブール LV277はクロノグラフであり、初の“オート・オルロジュリー”の複雑機構はトゥールビヨンであった。彼らは協力して、このバックストーリーを1本の時計に与え、時計史上初の試みとして実現したのだ。The LVRR-01 Chronographe à Sonnerieかなりつけやすいと伝えただろうか? この作品のなかで新しい特注のムーブメントを生み出すには、スケルトンダイヤルが最大限の効果を発揮させるよう、いくつかの問題解決が必要だった。LVRR-01は反転式で、クロノグラフとチャイム機構が表面に表示され、ダイヤルを見るとムーブメントの構造が見えるようになっている。ムーブメントの各構成要素はアングラージュやブラックポリッシュなどの仕上げが特徴だ。文字盤には6つゴールドキューブが配され、そのなかに半透明の焼成エナメルが充填されている。これはLVスピンタイムのジャンピングアワー表示を意識したものである。 もう1度ケースの裏側に目を移そう。すべてのクロノグラフ機能(スタート、ストップ、リセット)は、2時位置のプッシャーによって制御される。1分経過するごとに前述したチャイムが鳴る。このチャイムは、ブラックポリッシュ仕上げのスティール製ハンマーが、焼き固められた強化SS製のゴングを叩くことで鳴らされる。The LVRR-01 Chronographe à Sonnerieインデックスは、LVの時計製造が誇るもうひとつのモダンなアイコンへの敬意を表している。 つまり、その複雑さは誰が見ても驚くべきものであるとわかっているが、それはどのように行われたのだろうか? その答えはツインバレルで、片方が計時とクロノグラフを、もう片方がチャイムを動かすというもの。まあそんな感じだ。レジェップ氏は、ふたつ目の香箱も輪列と連動するようにした。 この時計のプレスリリースによると、“クロノグラフが作動し、ハンマーによって中央の可動部が解放されると、ツインバレルからの回転は妨げられなくなります。したがってクロノグラフとストライキング機構(ソヌリ)が動作しているときには、ベースギアにエネルギーが供給され、ムーブメントを邪魔することなく、複雑機構が適切に機能するのに十分なエネルギーが確保されるのです”とある。 両ブランドはこの時計の機能と精度についてこう説明している。“ソヌリとツインバレルは、石で飾られたパレットを特徴とする2次脱進機と連動しています。この脱進機はふたつ目の香箱のエネルギーを周期的に放出し、ソヌリが正確かつ定期的にハンマーを受けることを保証します”。The LVRR-01 Chronographe à SonnerieThe LVRR-01 Chronographe à Sonnerie レジェップ氏とルイ・ヴィトンがこのような形で交わったことは驚き以外の何ものでもない。真の独立系イノベーターと、人類が知る最大級のラグジュアリーメゾンがタッグを組んだのだから。この出会いは、まさに限られたタイムピース(わずか10本しか製造されない)を生み出したが、それはまた、時計そのもの以上のものを表現している。 このリリースの収益はすべてルイ・ヴィトン ウォッチ プライズに寄付され、レジェップ氏がこのリリースから得る資金が、彼の将来のクリエイションの実現に役立つことは想像に難くない。ここでお気づきだろうが、これだけ話をしながら我々の好きなふたつのカテゴリー、価格とサイズについてお伝えしていなかった。The LVRR-01 Chronographe à Sonnerie ハグマン氏がタンブールケースを改良した結果、ケースの直径は39.5mm、厚さは12mm弱となった。これまで既存のタンブールを見たことがある人にとっては驚異的な数字である。このムーブメントで何ができるのか、しかもそれが40mm以下の腕時計に搭載されていると考えたらさらにクールだ。ADVERTISEMENT たった10本しか作られないため、相当な値段がつくと考えざるを得ない。まあ、このコラボレーションコンプリウォッチは1本約45万スイスフラン(日本円で約7390万円)で販売されるのだから、あなたの想像は正しい。また、運よく手に入れることができた人には、エナメルダイヤルのクロノグラフ目盛りにインスパイアされたモチーフが手作業で描かれた、ルイ・ヴィトン特製トランクボックスも提供される。そしてトランクのなかには、レジェップ・レジェピ氏、ジャン-ピエール・ハグマン氏、エナメル職人のニコラ・ダブエル(Nicolas Doublel.)氏のサインも入っている。The LVRR-01 Chronographe à Sonnerie 過去10年以上にわたってリリースされてきた時計という文脈から見ると、マックス・ブッサー(Max Büsser)氏のハリー・ウィンストン オーパスシリーズを思い出さずにはいられない。似ているのはデザインよりもインパクトのほうだ。オーパスシリーズは、小規模な独立時計師に高級時計という名の大きなプラットフォームを与えた。ここではLVRR-01がそれを実現しているが、LV ウォッチ プライズとのタイアップにより、その収益がさらに多くの若い時計職人を支援することになる。 今のところ、この時計が私の価格帯からは、まさにケタ違いとしか言いようのない差で外れていることを考えると、私ができる唯一のことは、時計を手に入れられないことを恨めしく思わずただ評価するしかないと言うことだ。このような時計には、ある種の勇敢さがある。サファイアのフロントやエナメルのケースバックのようなデザインセンスを組み合わせ、非常に複雑なムーブメントを新開発し、そのすべてをウォッチメイキングのために行う。そしてレジェップ氏とアルノー氏は自分たちがここで作り上げたものに大満足しているようだ。しかし、このリリースはレジェップ氏にとっての新章でもあり、これがアクリヴィアの名を冠した最後の時計となる。これはちょうど昨日、間もなくリリースされる予定の新しいポッドキャスト(続報をお見逃しなく)のレコーディング中に、レジェップ氏自らが語ってくれたことである。これはビッグニュースだ。 しかし、ルイ・ヴィトンと今後のコラボレーションに関しては、これは始まりに過ぎず、次のコラボレーション(LVがほかの時計メーカーと進めている、5つのコラボレーションの第1弾なのだ)は来年発表される予定である。

湯の里(^.^)/~~~
2013/01/10
本当に…

本当に…  …

お久しぶりの更新です。
そして、遅くなりましたが

本年もよろしくお願い致します<(_ _)>

昨年は、ブログを振り返ってみると、
更新が少なかったり
更新が遅くなったり…
と、色々反省が多くあります。。。(T_T)
今年は、もう少し見ごたえのある
内容にしていきたいなぁ…と
(今は…)モチベーション高く
持っております。

今年も湯の里を宜しくお願い致します!!

今年1年
皆様がご健康で楽しく過ごせますように。

ケアハウス集家です☆
2012/11/19
わんぱーく高知へ遠足に行ってきました!

当日は天気もよく絶好の外出日よりでした!

おいしいお好み焼きも食べて、お腹も心もいっぱいに

なしました!また行きましょうね!(^^)!

ケアハウス集家で〜す(^o^)丿
2012/08/24
夏気分を味わっていただこうと、ビアガーデンをやってみました!!

メニューはビール、ノンアルコールビール、ノンアルコールカクテル、ジュース、おつまみに枝豆、冷やっこ、漬物、たこ焼き、ポテトサラダ等。
たくさんの利用者様が来店し、楽しんでいただきましたヽ(^。^)ノ
みなさん、飲み過ぎには注意ですよ(^_-)-☆

ケアハウス集家です(*^。^*)
2012/08/15
集家にかわいいピアニストがやってきました!!

ピアノの素敵な音色とかわいいピアニストに、利用者の皆さんは目を細めていましたよ(#^.^#)

二人のピアニスト。実は、集家の事務 笹岡さんのお孫さんたちです(^_^)v

ケアハウス集家です(^_^)v
2012/07/18
毎年恒例となりました、ミニ縁日です。

みなさん、おもちゃすくいやヨーヨー釣り、輪投げなどで童心にかえり、素敵な笑顔を見せてくれました(^O^)/
たこ焼き屋、かき氷屋などの屋台も大繁盛! 
楽しい時間を過ごしました。



ケアハウス集家です(#^.^#)
2012/06/06
春野のあじさい街道へ行ってきました!!

あじさいはまだ5分咲きぐらいでしたが、お天気が良くて気持ちのいい外出ができました。あじさいを見ながらアイスクリンを食べてご機嫌 (^o^)/

あじさいを見た後は、レストラン「あじさい街道」で食事をして帰りました。

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